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新じゃがはコロッケに向いてない?失敗理由と美味しく作るコツ

新じゃがはコロッケに向いてない?失敗理由と美味しく作るコツ 食べ物

春から初夏にかけてスーパーに並ぶ新じゃが、みずみずしくて美味しいですよね。

でも、その新じゃがを使ってコロッケを作ろうとしたら「ベチャベチャになって成形できない」「揚げている最中に爆発してしまった」という経験はありませんか?

実は、新じゃががコロッケに向いてないと言われるのには、この時期のジャガイモ特有の水分量や肉質といった明確な理由があるのです。

せっかくの旬の味覚ですから、失敗せずに美味しくいただきたいですよね。

この記事では、なぜ失敗しやすいのかという原因から、新じゃがでも上手に作るための対処法やリメイクレシピについて詳しくお話しします。

  • 新じゃががコロッケ作りで失敗しやすい水分と肉質の関係
  • 揚げている最中に破裂してしまうメカニズムと対策
  • レンジ活用や揚げない調理法など具体的な成功テクニック
  • 失敗してしまったタネを美味しく救済するリメイクアイデア
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新じゃががコロッケに向いてない主な理由

新じゃががコロッケに向いてない主な理由

ここでは、なぜ一般的に「新じゃがはコロッケに向いていない」と言われてしまうのか、その根本的な原因を掘り下げていきます。

単なる料理の腕前の問題ではなく、素材そのものの性質が大きく関わっていることを理解すると、対策も見えてきますよ。

水分が多くベチャベチャになる原因

新じゃがを使ってコロッケを作ると、タネが柔らかすぎてベチャベチャになってしまうことがよくあります。

これは、新じゃがの最大の特徴である「水分の多さ」が直接的な原因です。

通常、ジャガイモは収穫後に一定期間貯蔵してから出荷されますが、新じゃがは収穫してすぐに出荷されるため、水分が抜けきっておらず、非常にみずみずしい状態です。

このみずみずしさは、煮っころがしやフライドポテトにする場合は大きなメリットになります。
しかし、ホクホクとした食感が求められるコロッケにおいては、この水分が邪魔をしてしまいます。

マッシュした際に粘りが出やすく、成形しようとしても手にまとわりついて形が定まらないことが多いのです。

「水分が多い=成形が困難」という図式は、新じゃがでコロッケを作る際の最初のハードルと言えるでしょう。

皮が薄くて煮崩れしやすい特徴

皮が薄くて煮崩れしやすい特徴

新じゃがの特徴として、皮が薄くて柔らかいことも挙げられます。
皮ごと食べられるのが新じゃがの魅力ですが、茹でる際に皮が破れやすく、そこからお湯を吸ってさらに水っぽくなってしまうことがあります。

コロッケにする場合、通常は皮をむいてから加熱するか、加熱後に皮をむいて潰しますが、加熱の段階で余分な水分を含ませない工夫が必要です。

また、新じゃがとして出回る品種には「メークイン」など、粘質で煮崩れしにくいタイプも多く含まれています。

これらは煮物には最適ですが、コロッケのように潰して使う料理には、繊維が強くて滑らかに潰しにくいという側面もあります。

「煮崩れしにくい」ということは、裏を返せば「ホクホクに粉吹きにしにくい」ということでもあり、これがコロッケ独特の食感が出にくい一因となっているのです。

揚げたときに爆発するメカニズム

揚げたときに爆発するメカニズム

コロッケ作りで最も悲しい失敗といえば、揚げている最中の「爆発」ですよね。
新じゃがを使うと、この爆発のリスクが格段に上がります。
そのメカニズムは、やはり内部の水分量にあります。

油の中で加熱されると、コロッケ内部の水分は水蒸気になります。
新じゃがは水分を多く含んでいるため、発生する水蒸気の量も通常より多くなります。

この大量の水蒸気が衣の中で急激に膨張し、逃げ場を失って衣を内側から突き破ってしまうことで爆発が起こるのです。

特に、衣が固まる前に内部の温度が上がりすぎると破裂しやすいため、温度管理も非常にシビアになります。冷凍コロッケで霜がついていると爆発しやすいのと同様に、余分な水分は揚げ物にとって大敵なのです。(参照:ニチレイ公式サイト

男爵いもと新じゃがの性質の違い

男爵いもと新じゃがの性質の違い

一般的にコロッケに最適と言われるのは「男爵いも」のような粉質のジャガイモです。

男爵いもはデンプン価が高く、加熱するとホクホクとして水分が飛びやすいため、コロッケのタネにしたときに成形しやすく、食べたときの食感もサクッと仕上がります。

一方、新じゃがとして出回るジャガイモの多くは、収穫時期が早いことによる水分の多さに加え、品種的にも粘質系であることが少なくありません。

粘質のジャガイモは冷めるとモチモチとした食感になりますが、これはコロッケの「サクッ、ホクッ」という理想とは異なります。

「新じゃが」というのは品種名ではなく、収穫時期を表す言葉ですが、この時期に出回る芋の性質自体が、本来コロッケが求める「粉質で低水分」という条件とは真逆の性質を持っていることが多いのです。

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失敗しないためのジャガイモ選び

失敗しないためのジャガイモ選び

もし「どうしてもコロッケを作りたい」という場合は、新じゃがの中でも品種を確認することが大切です。

新じゃがとして売られているものの中にも「男爵」や「キタアカリ」といった粉質の品種が存在します。

これらは比較的コロッケに向いていますが、それでも通常の貯蔵ジャガイモに比べれば水分は多めです。

絶対に失敗したくないのであれば、この時期はあえて新じゃがを避け、通年販売されている貯蔵された男爵いもを選ぶのが賢明です。

しかし、頂き物などで新じゃがが大量にあり、どうしても消費したいという場合もあるでしょう。

その場合は、ジャガイモ選びだけでなく、次章で紹介する調理法の工夫でカバーする必要があります。
食材の特性を知り、目的に合わせて使い分けることが、料理上手への第一歩ですね。

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新じゃがはコロッケに向いてない?対処法

新じゃがはコロッケに向いてない?対処法

「新じゃがは向いていない」と言われても、手元にある新じゃがで美味しいコロッケを作りたい!という方のための、具体的な解決策をご紹介します。

水分をコントロールし、調理法を少し変えるだけで、失敗のリスクをぐっと減らすことができますよ。

レンジで加熱して水分を飛ばす裏技

新じゃがの水分対策として最も効果的なのが、電子レンジの活用です。

鍋で茹でると、お湯の中で加熱するため、どうしてもジャガイモが水を吸ってしまいます。
しかし、電子レンジならジャガイモ自体の水分を使って加熱するため、余分な水分を吸わせずに済みます。

さらに、加熱後にラップを外して少し置いておくことで、蒸気として水分を飛ばすことができます。

皮をむいて適当な大きさに切り、耐熱容器に入れて加熱し、竹串がスッと通るくらい柔らかくなったら、熱いうちにマッシャーで潰しましょう。

このとき、もし水っぽさを感じるようなら、潰した状態で再度ラップなしで軽くレンジにかけると、驚くほど水分が抜けて扱いやすくなります。

このひと手間が、成功への大きな鍵となります。

つなぎの片栗粉やパン粉を増やす

つなぎの片栗粉やパン粉を増やす

水分を飛ばしてもまだタネが柔らかい場合は、物理的に水分を吸着させる方法を取りましょう。

ここで役立つのが「乾燥パン粉」や「片栗粉」、あるいは「おからパウダー」などの乾物です。

タネの中に乾燥パン粉を混ぜ込むと、パン粉が余分な水分を吸ってくれ、成形しやすい硬さに調整できます。

また、片栗粉を少量混ぜると、加熱されたときに粘りが出てタネがまとまりやすくなります。
ただし、入れすぎると食感が硬くなったり、団子のようになってしまうので注意が必要です。

あくまで「調整役」として、様子を見ながら少しずつ足していくのがポイントです。
味が薄まらないよう、塩コショウで味を整えるのも忘れないでくださいね。

揚げずにスコップコロッケにする

揚げずにスコップコロッケにする

「成形できない」「爆発が怖い」という悩みを一気に解決するのが、「揚げないコロッケ(スコップコロッケ)」という選択肢です。

これは、タネを丸めて揚げるという工程を省略し、耐熱皿に敷き詰めてトースターやオーブンで焼くという画期的な方法です。

作り方は簡単。
事前にフライパンできつね色になるまで乾煎りしたパン粉を用意し、耐熱皿に入れたタネの上にたっぷりかけます。

あとは焼き目がつくまで焼くだけ。
食べてみれば口の中で衣とタネが混ざり合い、驚くほど「コロッケ」の味わいになります。

これなら水分が多くて形にならなくても全く問題ありませんし、油で揚げない分ヘルシーで後片付けも楽ちんです。

ひき肉や具材で水分を吸わせる

ひき肉や具材で水分を吸わせる

具材の調理法でも水分対策が可能です。
通常、コロッケに入れるひき肉や玉ねぎは炒めてから混ぜますが、この「炒める」工程でしっかりと水分を飛ばしておくことが重要です。

特に玉ねぎは水分が出やすいので、飴色になるまでじっくり炒めるか、レンジで加熱して水気を切ってから使うと良いでしょう。

また、炒めたひき肉の脂や旨味が、パサつきがちな新じゃが(粘質でない場合)をしっとりとまとめてくれる効果も期待できます。

私の場合は、ひき肉を炒める際に少し多めのナツメグやスパイスを効かせて、味のアクセントにすることで、水分による味のボケをカバーするようにしています。

具材とジャガイモを混ぜ合わせる際も、熱いうちに行うことで余分な蒸気を逃がすことができます。

カレー味などにリメイクして救済

もし、タネを作っている途中で「あ、これはもう丸められないな」と悟ってしまった場合でも、諦める必要はありません。

その柔らかいタネは、別の美味しい料理に生まれ変わらせることができます。

例えば、カレー粉を混ぜて耐熱皿に入れ、チーズを乗せて焼けば「ポテトカレードリア風」になります。

また、牛乳やコンソメでのばして「ポタージュスープ」にしたり、小麦粉を足して焼けば「ポテトおやき」にもなります。

失敗ではなく「予定変更」と捉えることで、気持ちも楽になりますし、意外なご馳走ができることもありますよ。

新じゃがの甘みはカレー味やチーズとの相性が抜群なので、むしろリメイクの方が家族に好評だった、なんてことも珍しくありません。

新じゃがはコロッケに向いてないかの結論

結論として、新じゃがは確かに「典型的なサクサクホクホクのコロッケ」を作るのには不向きな要素が多いです。

水分が多く、成形や揚げの難易度が高いため、初心者が基本のレシピ通りに作ると失敗しやすい食材と言えます。

しかし、それは「作れない」という意味ではありません。

電子レンジを使って水分を飛ばしたり、揚げない「スコップコロッケ」にするなど、新じゃがの特性に合わせた調理法を選べば、この時期ならではの風味豊かな美味しい一品を作ることが可能です。

「向いていないから作らない」のではなく、「特徴を理解して工夫する」ことで、料理の幅はもっと広がります。

ぜひ、新じゃがの特性を活かしたコロッケ作りにチャレンジしてみてくださいね。

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