冷蔵庫に保存しておいたピーマンを取り出したら、表面がしわしわになっていて驚いた、という経験はありませんか。
実が柔らかい状態になっていると、「これはもう食べられないのではないか」と不安になりますよね。
ピーマンのしわしわには、主に乾燥による水分不足が原因として挙げられますが、中には栽培中の問題で葉や実が柔らかい状態になってしまうケースもあります。
しかし、ご安心ください。適切な処置を施せば、一度しわしわになったピーマンでもみずみずしさを復活させられる可能性が高いです。
この記事では、しわしわになってしまったピーマンを復活させる方法や、そもそもそのピーマンは食べれるのか、さらに黒い斑点やブヨブヨなど、傷んでいるサインを見分ける判断基準まで詳しく解説します。
- ピーマンがしわしわになる主な原因と葉や実の状態がわかる
- しわしわのピーマンを簡単に復活させる具体的な方法がわかる
- 食べれるかどうかの判断基準と傷んでいるサインがわかる
- 栽培時や保存時にしわしわを防ぐための注意点を知れる
ピーマンがしわしわになる主な原因と実や葉の状態について

- ピーマンの葉や実が柔らかいと感じた時のチェックポイント
- ピーマンがしわしわになる主な原因を解説
- 栽培中のピーマンがしわしわになった場合の対策
- しわしわになったピーマンを復活させる方法
ピーマンの葉や実が柔らかいと感じた時のチェックポイント
ピーマンの実が柔らかく、表面にハリがない状態は、主に水分が失われたことが原因です。
しかし、畑で栽培している最中にまだ収穫前であるにもかかわらず、実が小さく硬いまましわしわになってしまう、または葉がしおれてしまうといったケースでは、別の原因を考える必要があります。
例えば、開花から2〜3週間が経過しているにもかかわらず、しわしわで小さく硬いピーマンしか実らないという状況であれば、それは土壌の「肥切れ」(肥料不足)の可能性が高いです。
この場合、葉の色も薄くなっていることがあります。
逆に、葉が急にしおれて垂れ下がるような場合は、根の病気や水やり不足など、さらに深刻なトラブルのサインであることも考えられます。
そのため、ピーマンの実や葉の異変に気づいた際には、まず「単なる乾燥か」「栽培環境の問題か」を切り分けて考えることが大切です。
実が柔らかい・しわしわ:主に乾燥(水分不足)
実が小さく硬いまましわしわ:肥切れ(肥料不足)の可能性
葉が急にしおれる:水やり不足や病気の可能性
ピーマンがしわしわになる主な原因を解説

保存中のピーマンがしわしわになる最大の原因は、果肉から水分が蒸発してしまうことです。
ピーマンをはじめとする夏野菜は、水分が90%以上を占めています。
そのため、収穫後も呼吸を続けている過程で、皮からどんどん水分が抜けていってしまいます。
特に冷蔵庫の野菜室は、空気が乾燥しているため、ラップで包まずにそのまま入れておくと、すぐに表面の水分が失われてしまい、ハリがなくなってしわしわになってしまいます。
いくら新鮮なピーマンを購入しても、保存方法が適切でなければ、数日でしなびてしまうリスクが高まります。
例えば、新聞紙に包む、ポリ袋に入れるなど、乾燥を防ぐためのひと手間を加えるだけでも、しわしわを防ぎ、鮮度を保つ期間を大幅に延ばすことができます。
栽培環境におけるしわしわの原因
栽培中のピーマンの実にしわしわが見られる場合、前述の通り、肥料不足(肥切れ)が考えられますが、他にも水やり不足も大きな原因となります。
土が乾燥しすぎると、植物は水分を吸い上げられなくなり、実のハリを保てなくなってしまうのです。
栽培中のピーマンがしわしわになった場合の対策
栽培中のピーマンの実がしわしわになり、葉の色も悪いと感じたら、まずは「追肥」を行ってください。
ピーマンは夏の間、多くの実をつけ続けるため、非常に多くの肥料を必要とする野菜です。
特に実がつき始めるころには、定期的な追肥が欠かせません。
追肥が遅れたことによる肥切れが原因の場合、適切な肥料を与えることで、新たにできる実のしわしわは改善される可能性が高まります。
ただし、肥料を与えすぎると、今度は「つるぼけ」といって、葉ばかりが茂り、実がつかなくなる現象が起きるデメリットもあるため、パッケージに記載された規定量を守って施肥することが重要です。
また、猛暑が続く時期は、土の乾燥スピードが非常に速くなります。
葉が日中にしおれてしまう場合は、朝夕の涼しい時間帯に、土の表面だけでなく深くまでしっかり水が浸透するよう、十分な水やりを行う必要があります。
収穫した実のしわしわは保存の問題、栽培中の実のしわしわは肥料や水やりの問題と切り分けて考えると、対処法が明確になりますね。
しわしわになったピーマンを復活させる方法

水分が抜けたことでしわしわになったピーマンは、適切な処置を施すことでみずみずしい状態に復活させることができます。
最も手軽で効果的な方法として知られているのが、「50度洗い」です。
50度洗いとは、その名の通り、50℃のお湯に野菜を浸す方法で、しなびた夏野菜を復活させるのに非常に有効です。
ピーマンの表面にある気孔が熱で開き、失われた水分を効率的に取り込むため、ハリが戻ります。
また、野菜の表面をコーティングする働きもあるため、鮮度を長持ちさせるメリットも期待できます。
しわしわになったピーマンの50度洗いの手順
具体的な手順は以下の通りです。
- ボウルに50℃程度のお湯を用意します。
熱すぎるとやけどの危険があるため、温度計で測るか、熱いと感じる程度のお湯に水を少し足して調整してください。 - しわしわになったピーマンを丸ごとボウルに入れ、優しく表面を洗います。
- 約2〜3分間お湯に浸した後、冷水にさっと通して熱を冷まします。
- キッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取れば、ピーマンのハリが復活しているのが実感できるはずです。
ただし、この方法は、あくまで水分が抜けたことによる軽度のしわしわ状態に限る点に注意が必要です。
黒い変色や異臭がするほど傷んでいる場合は、この方法を用いても復活させることはできません。
しわしわになったピーマンは食べれる?判断基準と活用法

- しわしわのピーマンが傷んでいるサインを見分ける方法
- しわしわのピーマンをもう一度復活させるための手順
- 食べれるしわしわピーマンのおすすめレシピ
- ピーマンがしわしわになった状態での栽培と保存の注意点
しわしわのピーマンが傷んでいるサインを見分ける方法
前述の通り、多少のしわしわは単に水分が抜けただけであり、食べれる状態です。
しかし、しわしわが進み、以下の変化が見られた場合は、腐敗が進行している傷んでいるサインである可能性が高く、食べるのを避けるべきです。
腐敗が進んでいると判断できる具体的なサインを以下にまとめます。
傷みサイン | 具体的な状態 | 判断 |
---|---|---|
色・変色 | 黒い斑点が現れる、または全体が茶色っぽく変色する | 傷んでいるサイン |
形・感触 | しわしわを通り越して、ブヨブヨと柔らかい感触になる | 傷んでいるサイン |
ヘタの状態 | ヘタ全体が乾燥し、茶色くカビが生えている | 傷んでいるサイン |
匂い | 酸っぱい、またはカビ臭いような刺激臭がする | 傷んでいるサイン |
ピーマンの表面にできたしわしわがまだ弾力性を保っており、異臭がしなければ、水分が抜けただけの状態なので食べれると判断できます。
黒い変色や、柔らかいを通り越したブヨブヨ感があるかどうかを、しっかりと確認することが重要です。
黒い斑点や変色があるピーマンは食べれるのか

ピーマンの表面に黒い斑点や全体的な茶色への変色が見られた場合は、基本的に食べるのを避けるべきです。
これは、カビの発生や腐敗が始まっている明確な傷んでいるサインであるためです。
ただし、勘違いしやすい点として、赤色やオレンジ色に熟しているピーマンがあります。
ピーマンは熟すと赤くなりますが、これは腐敗ではなく、完熟した状態であり、甘みが増しておいしく食べれるものです。
そのため、黒い変色と完熟による赤色化を混同しないよう注意してください。
注意点
表面に黒い斑点や茶色い変色がある場合、その部分だけを取り除いて調理を考える方もいます。
しかし、カビの根がピーマン全体に広がっている可能性があるため、衛生上の観点から丸ごと処分することを推奨いたします。
しわしわのピーマンをもう一度復活させるための手順
前述の通り、しわしわになったピーマンを復活させる最も効果的な方法は「50度洗い」です。
しかし、50℃のお湯を用意するのが面倒な場合や、すぐに使いたい場合は、冷水に浸すだけでも一定の効果が見込めます。
水に浸す方法であれば、ピーマンの実が再び水分を取り戻すまでに時間はかかりますが、冷蔵庫で冷やしながら数時間〜半日ほど放置しておくと、ハリが多少復活することがあります。
ただし、冷水に長時間浸しすぎると、水溶性の栄養素が流れ出てしまうデメリットもあります。
そのため、急いでいないのであれば、短時間で効果が高く、栄養素の流出も最小限に抑えられる50度洗いを優先的に行うことをおすすめいたします。
豆知識:なぜ50度のお湯が良いのか
50℃は、野菜の細胞を壊さず、また、酵素を活性化させて鮮度を取り戻すのに最適な温度であるとされています。
この温度帯を用いることで、ピーマン本来の風味を損なうことなく、実のシャキシャキ感を復活させることが可能です。
食べれるしわしわのピーマンのおすすめレシピ

しわしわになったピーマンは、水分の蒸発により風味が凝縮され、むしろ甘みが強くなっていることもあります。
もし復活させても完全にハリが戻らなかった場合でも、異臭や黒い変色がなければ問題なく食べれるため、加熱調理で活用するのがおすすめです。
柔らかいピーマンの食感を活かし、水分不足による繊維の硬さを気にせず楽しめるレシピをいくつかご紹介します。
しわしわピーマンの活用術:火を通す調理が最適
水分が減っているため、炒め物や煮物に使うと短時間で火が通り、味が染み込みやすくなるメリットがあります。
例えば、以下のレシピで活用できます。
- きんぴら:細切りにして甘辛く炒め煮にすると、ピーマンの風味が引き立ちます。
- マリネ:さっと炒めてからマリネ液に漬け込むと、マリネ液の水分を吸ってジューシーさが復活します。
- スープ・煮込み料理:ミネストローネやカレーなどの煮込み料理に入れると、柔らかい食感になり、違和感なく食べれるでしょう。
生のサラダでシャキシャキ感を楽しむことは難しいかもしれませんが、加熱することで、その風味の良さを活かしきることができます。
ピーマンがしわしわになった状態での栽培と保存の注意点
ピーマンをしわしわにしないためには、事前の対策が最も重要です。
ここでは、栽培時と保存時の両面から注意すべき点をご説明します。
栽培時:適切な水やりと追肥の徹底
夏場のピーマン栽培では、土の乾燥を防ぐことが重要です。
特にプランター栽培の場合、水分が抜けやすいため、土の表面が乾いたらすぐにたっぷりと水を与えることを徹底してください。
また、ピーマンは肥料食いなので、開花や着果が始まったら、定期的に追肥を怠らないようにしましょう。
肥料不足は、実がしわしわになるだけでなく、収穫量の低下にも直結します。
保存時:水分蒸発を最大限に防ぐ
冷蔵庫での保存は、ピーマンがしわしわになる主な原因である「乾燥」を防ぐことが最大のポイントです。
ピーマンの実一つ一つをキッチンペーパーで包み、さらにポリ袋に入れて、口を軽く閉じて野菜室で保存することで、水分蒸発を大幅に抑えられます。
葉やヘタの部分から水分が抜けやすいため、ヘタを下にして保存すると、鮮度が長持ちしやすくなります。
このように、栽培と保存の両方で水分管理に気をつけるだけで、ピーマンがしわしわになるのを防ぎ、より長くシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
ピーマンの実が柔らかい時の調理への影響

ピーマンの実が柔らかい、つまりしわしわになっている状態は、水分が失われていることを意味します。
この状態のピーマンを調理に使う場合、主に食感に影響が出ます。
通常、新鮮なピーマンはシャキシャキとした食感が特徴ですが、水分が抜けた柔らかいピーマンは、加熱するとさらにへたりやすく、シャキシャキ感が失われてしまいます。
生でサラダとして食べれる状態ではありません。
一方で、柔らかいことは必ずしもデメリットではありません。
例えば、肉詰めにする場合、実が柔らかいと肉と一体化しやすく、口当たりが良いと感じる人もいます。
また、前述の通り、実が柔らかいことで火が通りやすくなるため、時短調理にもつながるメリットがあります。
柔らかいピーマンの特性を理解し、炒め物や煮物など、食感を重視しない料理に使うのが賢明な選択と言えます。
ピーマンがしわしわになった時の対処法を総括
ピーマンがしわしわになった際の原因の特定から、復活、食べれるかどうかの判断まで、必要な情報をまとめます。
- 保存中のピーマンがしわしわになる主な原因は乾燥による水分蒸発である
- 多少しわしわになった程度であれば食べれることが多い
- しわしわピーマンは「50度洗い」でみずみずしさを復活させることができる
- 50度洗いは50℃のお湯に2〜3分浸すだけでハリが復活する簡単な方法である
- 復活が難しい場合は、水に数時間浸すだけでも効果が見込める
- 黒い斑点や全体的な茶色への変色は傷んでいるサインである
- しわしわを超えてブヨブヨと柔らかい感触になったら食べるのを避けるべきである
- 酸っぱい異臭やカビ臭がする場合も傷んでいるサインとして処分する
- 栽培中のピーマンの実が小さく硬いまましわしわになったら肥切れを疑う
- 栽培中は水やりと追肥を定期的に行い、水と肥料を適切に管理する
- 葉がしおれたり実が柔らかい状態になったら、まず乾燥を疑い水やりを見直す
- しわしわピーマンは火を通す炒め物や煮込み料理で活用するのがおすすめである
- 保存する際は、ピーマンの実をキッチンペーパーとポリ袋で包み乾燥を防ぐ
- ピーマンのしわしわを防ぐには、栽培時・保存時ともに適切な水分管理が鍵となる