炊飯器で手軽にさつまいもを調理しようとして検索したら、SNSで話題の爆発事例などを見ると、事故リスクについて不安になりますよね。
炊飯器でさつまいもを調理することにはメリットとデメリットがあり、特に圧力IH炊飯器使用の注意点やアルミホイル使用のリスクを知らないと危険が伴います。
また、炊飯器で焼き芋を作ろうとしたときの失敗の原因の多くは、水の量を間違えることにあります。
玄米モードと普通モードの違いや、玄米モードがない場合の水の量など、炊飯器で調理するためのポイントは多岐にわたります。
この記事では、炊飯器で安全にさつまいもを蒸す方法と蒸す際の注意点を詳しく紹介し、炊飯器を使わない代替調理法についても紹介します。
- 炊飯器でさつまいもが爆発する具体的な原因
- 安全に調理するための正しい水の量と下ごしらえ
- 炊飯器のモード(玄米・普通)の選び方と注意点
- 故障や事故を防ぐための代替調理法
「さつまいもを炊飯器で調理するのは危険」の真相

- さつまいもを炊飯器で調理で爆発・事故リスク
- SNSで話題の爆発事例
- 炊飯器でさつまいも調理のメリットとデメリット
- 炊飯器で焼き芋を作るときの失敗とアルミホイルのリスク
- 圧力IH炊飯器の注意点
さつまいもを炊飯器で調理での爆発・事故リスク
炊飯器でさつまいもを調理する際に報告される爆発や事故は、非常に深刻な問題です。
主な事故リスクとしては、炊飯器の蓋が吹き飛ぶ、内部が破損する、高温の蒸気や内容物が噴き出すといったものが挙げられます。
これらの現象が起こる最大の原因は、炊飯器内部の急激な圧力上昇です。
さつまいもを丸ごと加熱すると、皮と中身の膨張率の違いや、内部の水分が急激に蒸発することで圧力が逃げ場を失い、爆発に至ることがあります。
もう一つの重大な原因は、水分不足による空焚き状態です。
水を入れずに加熱したり、水量が極端に少なかったりすると、炊飯器は異常な高温になります。
これにより、さつまいもが焦げ付くだけでなく、内釜のコーティングが剥がれたり、温度ヒューズが飛んで炊飯器自体が故障したりする原因となります。
事故につながる主な原因
炊飯器でのさつまいも調理による事故は、主に以下の2点が原因とされています。
- 内圧の異常上昇: さつまいもの皮が蒸気の逃げ道を塞ぎ、内部の圧力が許容範囲を超える。[1, 3]
- 水分不足(空焚き): 水を入れない、または少なすぎることで内部が異常加熱され、焦げ付きや部品の溶解、最悪の場合は火災のリスクを生む。
SNSで話題の爆発事例

近年、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、「炊飯器でさつまいもを調理したら爆発した」「蓋が飛んで天井に穴が空いた」といった衝撃的な体験談が報告されることがあります。
これらの事例の多くは、前述の「水分不足」や「圧力上昇」が原因です。
特に、「焼き芋」を作ろうとして水を全く入れずに調理モードを開始し、空焚き状態になってしまったケースが目立ちます。
また、大きすぎるさつまいもを無理に詰め込んだ結果、蒸気の通り道が塞がれて爆発に至ったという報告もあります。
こうしたSNSでの報告は、炊飯器が本来想定していない使い方をすることの危険性を具体的に示しています。
手軽に見える方法でも、重大な事故につながる可能性があることを認識する必要があります。
炊飯器でさつまいも調理のメリットとデメリット
炊飯器でのさつまいも調理が試みられる背景には、その手軽さというメリットがあります。しかし、リスク(デメリット)も明確に存在します。
項目 | 詳細 |
---|---|
メリット | 手軽さ: 材料と水を入れてスイッチを押すだけで、火加減を見る必要がない。 しっとり感: 炊飯器の蒸気を利用するため、電子レンジ加熱よりもパサつかず、しっとりとした仕上がりになりやすい。 多機能: ほったらかしで調理できるため、他の作業と並行できる。 |
デメリット | 故障・事故のリスク: 最大のデメリットです。前述の爆発、空焚きによる故障、火災のリスクが常につきまといます。焦げ付きと匂い: 水分が飛ぶと、さつまいもの糖分が内釜に強く焦げ付き、取れなくなることがあります。また、炊飯器に匂いが染み付いてしまうこともあります。 メーカー非推奨: ほとんどの炊飯器メーカーは、取扱説明書で「白米・炊き込みご飯など、指定された用途以外での使用」を禁止しています。 |
確かにスイッチひとつで手軽なのは魅力ですが、炊飯器はあくまで「ご飯を炊く」ために最適化された調理家電です。
本来の用途から外れた使い方には、相応のリスクが伴うことを理解しておく必要がありますね。
炊飯器で焼き芋を作るときの失敗とアルミホイルのリスク

炊飯器で「焼き芋」を作ろうとすることは、特に危険な行為の一つです。
「焼く」というイメージから、水を入れずにさつまいもだけを入れたり、アルミホイルで包んで入れたりするケースがありますが、これは典型的な失敗例であり、非常に危険です。
なぜ「炊飯器で焼き芋」はダメなのか
炊飯器は「焼く」調理器具ではなく、「炊く(蒸す)」調理器具です。
水を入れずに加熱すると、センサーが異常を検知する前に内釜が超高温になり、空焚き状態になります。
結果として、さつまいもは焼けずに丸焦げになり、炊飯器は故障し、最悪の場合は火災につながる可能性があります。
また、アルミホイルの使用も避けるべきです。
アルミホイルが炊飯器の温度センサーや加熱部分に触れると、誤作動や異常加熱の原因となります。
内釜のコーティングを傷つける可能性もあり、メーカーも使用を禁止している場合がほとんどです。
圧力IH炊飯器の注意点

炊飯器には大きく分けて「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」がありますが、特に注意が必要なのが圧力IH炊飯器です。
圧力IH式は、炊飯中に内部に高い圧力をかけることで高温調理を実現します。
この機能が、さつまいものような固形物を調理する際にリスクとなる場合があります。
さつまいもの皮などが蒸気口(圧力調整弁)を塞いでしまうと、設計された以上の圧力が内部にこもり、蓋の変形や爆発的な蒸気の噴出といった重大な事故につながる可能性が、他の方式よりも高くなります。
圧力IH炊飯器でさつまいも調理を試みることは、特にリスクが高いことであると認識し、原則として避けるべきです。
どうしても使用する場合は、メーカーの取扱説明書で「調理モード」などの使用が許可されているか、固形物の調理に関する注意書きがないかを必ず確認してください。
さつまいもを炊飯器で調理の危険を避ける方法

- 炊飯器で安全にさつまいもを蒸す方法
- 蒸す際の注意点と調理ポイント
- 玄米モードと普通モードの違い
- 玄米モードがない時と水の量
- 炊飯器がダメな時の代替調理法
炊飯器で安全にさつまいもを蒸す方法
これまで述べてきた通り、炊飯器でのさつまいも調理は多くのリスクを伴います。
しかし、もし実行する場合は、事故を防ぐために最低限守るべきポイントがあります。
これは「焼き芋」ではなく、あくまで「蒸し芋」を作る方法です。
安全に「蒸す」ための手順
- さつまいもを洗う:
泥や汚れをしっかり洗い流します。 - 皮に穴を開ける(または切る):
これが最も重要です。
加熱による内部の圧力上昇を防ぐため、フォークや竹串などで皮に数カ所、深く穴を開けます。
もしくは、輪切りや一口大にカットします。 - 水を規定量入れる:
絶対に水を入れます。
目安として、さつまいもが半分浸かる程度、または炊飯器の「おこわ」の水位線の1〜2目盛り下など、機種に応じた「蒸し調理」の水分量を入れます。(最低でも100cc〜200ccは必要です) - モードを選択する:
「炊飯」モードではなく、「玄米モード」や「調理モード」「蒸しモード」など、比較的長時間の加熱が可能なモードを選びます。 - 量に注意する:
炊飯器の容量の半分以下に留め、詰め込みすぎないようにします。
ただし、これらの手順を踏んでも、お使いの炊飯器の機種やさつまいもの状態によっては、故障や事故のリスクがゼロになるわけではありません。
蒸す際の注意点と調理ポイント

安全に調理するための、さらに具体的な注意点とポイントをまとめます。
第一に、大きすぎるさつまいもを丸ごと入れないことです。
火の通りが悪くなるだけでなく、内部に圧力がこもりやすくなります。
大きすぎる場合は、半分や1/4にカットしてから入れるようにしてください。
第二に、調理後はすぐに蓋を開けないことです。
調理直後は内部が高温・高圧になっている可能性があります。
スイッチが切れた後、数分待ってから、蒸気に注意してゆっくりと蓋を開けるようにしましょう。
第三に、メーカーの取扱説明書を必ず確認することです。
これが最も重要です。
多くのメーカーは、ご飯以外の調理を推奨していないか、特定の「調理モード」の使用を前提としています。
ご自身の炊飯器がさつまいものような固形物の調理に対応しているか、必ず確認してください。
安全に関する重要事項
炊飯器の不適切な使用は、火傷、家財の破損、火災といった深刻な安全上の問題を引き起こす可能性があります。
本記事で紹介する方法は安全を保証するものではありません。
調理を実行する前には、必ずお使いの炊飯器の取扱説明書を熟読し、メーカーの指示に従ってください。 (参照:各炊飯器メーカー公式サイト、取扱説明書)
玄米モードと普通モードの違い

さつまいも調理に「玄米モード」が推奨されることがあるのは、その加熱特性によるものです。
普通モード(白米モード)は、お米をアルファ化(糊化)させるために、短時間で沸騰させ、その後蒸らす工程に入ります。
加熱時間が比較的短いため、さつまいものような芯まで火が通りにくい食材には向いていません。
一方、玄米モードは、皮の硬い玄米に水分を浸透させるため、沸騰までの時間が長く、高温を維持する時間も長く設定されています。
この「じっくりと長時間加熱する」特性が、さつまいものデンプンを糖に変え、甘くしっとりと仕上げるのに適しているとされる理由です。
ただし、これも機種によります。
玄米モードが単に圧力を高めるだけの機種の場合、前述の圧力IHのリスクが高まる可能性もあります。
玄米モードがない時と水の量

お使いの炊飯器に玄米モードがない場合、「炊き込みモード」や「おこわモード」、あるいは「調理モード」「蒸しモード」といった、白米の早炊きではないモードを選択します。
重要なのは水の量です。
さつまいもを「炊く」のではなく「蒸す」ことを意識してください。
水の量が少なすぎると空焚きになりますし 、多すぎると蒸し芋ではなく煮芋のようになってしまいます。
一般的な目安としては、さつまいも1本(中サイズ)に対して水100cc〜200cc程度とされますが、これはあくまで目安です。
内釜の大きさや、さつまいもの量によって最適な水分量は変わります。
最低でも、加熱が完了するまで水がなくならない量を確保することが、空焚きを防ぐ上で不可欠です。
炊飯器を使わない代替調理法

炊飯器の故障リスクや事故の危険性を考慮すると、他の安全な調理法を選択するのが最も賢明です。
おすすめの代替調理法
- 電子レンジ:
最も手軽な方法です。
洗ったさつまいもを濡れたキッチンペーパーで包み、さらにラップでふんわりと包みます。
600Wで3分ほど加熱し、一度取り出して裏返し、さらに2〜3分加熱します。(時間は芋の大きさによります) - オーブン・トースター:
時間はかかりますが、「焼き芋」に最も近い仕上がりになります。
洗ったさつまいもをアルミホイルで包み、180℃〜200℃のオーブンで60分〜90分ほど、じっくりと加熱します。 - 蒸し器(または鍋):
最も確実で安全な「蒸し芋」の方法です。
蒸し器に水を張り、沸騰したらさつまいもを入れ、蓋をして30分〜40分ほど蒸します。
鍋の場合は、鍋底に数センチ水を入れ、蒸し台(または耐熱皿)を置いてさつまいもを乗せ、蓋をして加熱します。
さつまいもを炊飯器での危険性|爆発させない安全な使い方の総括
この記事で紹介してきた、炊飯器でのさつまいも調理に関する危険性や注意点について、要点をまとめます。
- 炊飯器でのさつまいも調理は爆発や事故のリスクを伴う
- 主な原因は「水分不足(空焚き)」と「内部の圧力上昇」
- SNSでは蓋が飛ぶなどの重大な事故例も報告されている
- 「焼き芋」を作ろうと水を入れずに加熱するのは絶対にダメ
- アルミホイルの使用はセンサーの誤作動や故障の原因になる
- 特に圧力IH炊飯器は蒸気口が詰まるリスクが高い
- 安全に行うには「蒸す」意識で十分な水を入れることが必須
- 皮に穴を開けるかカットして蒸気の逃げ道を作ることが重要
- 詰め込みすぎは圧力が上昇する原因になる
- 白米モードより玄米モードの方が蒸し調理には適している場合がある
- 玄米モードがない場合は「調理モード」などを使用する
- 水の量は100cc〜200ccが目安だが機種や量による
- 最大の安全対策はメーカーの取扱説明書を確認すること
- 多くのメーカーはご飯以外の調理を推奨していない
- リスクを避けるため電子レンジやオーブン、蒸し器の利用を推奨する