手芸を始めようと張り切って布を広げたのに、肝心のチャコペンが見当たらない、あるいはインクが切れていて書けないという経験はありませんか。
わざわざ買いに行くのも面倒だし、今すぐ作業を進めたいという気持ち、とてもよく分かります。
実は、チャコペンがなくても、鉛筆や色鉛筆、フリクションボールペン、そして石鹸など、家にある身近なアイテムで十分に代用が可能なんです。
この記事では、私が実際に試してみて便利だった代用品や、使用する際の注意点について詳しくご紹介します。
- 家にある身近な道具でのチャコペン代用アイデア
- フリクションや石鹸など意外なアイテムの活用法
- 布地を傷めずに代用品を使うための注意点
- 刺繍や裾上げなど用途に合わせた使い分け
身近な道具でチャコペンの代用をする方法

専用の道具がなくても、引き出しの中や洗面所にあるものを少し工夫するだけで、印付けはスムーズに行えます。
ここでは、私が実際に試して「これは使える!」と感じた身近な代用アイテムとその使い方のコツをご紹介します。
鉛筆や色鉛筆で線を引く際のコツ
最も手軽な代用品といえば、やはり鉛筆や色鉛筆です。
お子さんがいるご家庭なら必ずと言っていいほどありますし、文房具入れを探せばすぐに見つかるアイテムですよね?
チャコペンの代用として使う場合、できるだけ芯が柔らかいBや2Bなどの鉛筆を選ぶのがポイントです。
硬い芯だと布に引っかかって書きにくいだけでなく、布地を傷めてしまう可能性があるからです。
色鉛筆を使う場合は、布の色に対して目立つ色を選ぶと作業がしやすくなります。
白い布なら青やピンク、濃い色の布なら黄色や白の色鉛筆が活躍します。
ただし、鉛筆や色鉛筆はチャコペンのように「水で消える」機能は基本的についていません。
そのため、書くときは「縫い代」や「裏側」など、完成したときに見えなくなる部分に限定して使うのが鉄則です。
また、筆圧を強くしすぎると粉が繊維の奥に入り込んで落ちにくくなることがあるので、優しく撫でるように線を引くことを意識してみてください。
これだけで、急場しのぎとしては十分な役割を果たしてくれますよ。
- 芯の柔らかい鉛筆(B以上)を使うと布を傷めにくい
- 完成後に見えない「裏側」や「縫い代」にのみ使用する
- 強く書きすぎず、優しく線を引くのがコツ
小さくなった石鹸が便利なマーカーに

これは昔から知恵として伝えられている方法ですが、お風呂や洗面所で小さくなって使いづらくなった固形石鹸、捨てていませんか?
実はこれが、チャコペンの代用として非常に優秀な働きをしてくれるんです。
乾燥して硬くなった石鹸の薄い縁(ふち)を使うと、驚くほどスムーズに布に線が引けます。
石鹸を使う最大のメリットは、洗濯をすればきれいに溶けて消えてくれるという安心感です。
油性ペンや色鉛筆のように「色が残ってしまったらどうしよう」という心配がほとんどありません。
また、程よい滑り心地があるので、ウールやニットのような少し毛羽立ちのある布地でも引っかかりにくく、スムーズに線を引くことができます。
使い方のコツとしては、できるだけ乾燥して硬くなった石鹸を、カッターなどで薄く削って「鋭角な部分」を作ることです。
丸まったままだと太い線になってしまい、精密な印付けには向きません。
ほんのり良い香りが漂いながら作業ができるので、個人的にはとても気に入っている方法の一つです。
フリクションボールペンは熱で消える

文房具として大人気の「フリクションボールペン」ですが、実は手芸愛好家の間ではチャコペンの代用として定番になりつつあるアイテムです。
ご存知の通り、フリクションは摩擦熱でインクが無色になる仕組みを持っています。
この特性を利用して、アイロンをかけるだけで描いた線が一瞬で消せるのです。(参照:happy-go-lucky)
通常のチャコペンよりもペン先が細いため、細かい刺繍の図案写しや、精密なパッチワークの印付けには非常に重宝します。
書き味もボールペンそのものですから、布の上でもスラスラとストレスなく書けるのが嬉しいですね。
ただし、注意点として「60℃以上の熱」で消える一方で、「マイナス10℃以下」になると消えた色が復活するという性質があります。
寒い地域にお住まいの方や、作品を寒冷地に送る可能性がある場合は注意が必要です。
また、インク自体が繊維から除去されるわけではなく「透明になっているだけ」という点も理解しておきましょう。
時間が経つと薄っすらと白く浮き出てくることもあるため、表地への使用は慎重に行うことをおすすめします。
フリクションの特性
60℃以上の熱で色が消えますが、マイナス10℃以下になると色が戻ることがあります。
長期保存する作品には向きません。
100均グッズもチャコペンの代わりに

最近の100円ショップ(ダイソーやセリアなど)の手芸コーナーは本当に充実していて驚かされますが、文具コーナーにもチャコペンの代わりになるものがたくさんあります。
例えば、「水性カラーペン」や「蛍光ペン」の中には、洗濯で落ちやすいタイプのものも販売されています。
特に私が注目しているのは、子供用のお絵かきコーナーにある「水で落とせるマーカー」です。
これらは衣類についても洗濯で落とせるように設計されているため、チャコペンの代用品としても比較的安心して使えます。
ただし、布の素材によってはインクが滲んで広がってしまったり、完全に色が落ちきらなかったりすることもあるため、必ず端切れでテストしてから使うようにしましょう。
また、手芸コーナーには「自然に消えるペン」や「水で消えるペン」が100円で売られていることも多いです。
「代用品」を探しに行ったつもりが、ちゃんとした専用品が安く手に入ることもありますので、文具コーナーと手芸コーナーの両方をチェックしてみるのが賢い買い物術かなと思います。
濃い色の布には学校のチョークが使える

黒や紺色のデニム、ダークカラーのフェルトなど、濃い色の布地には鉛筆やボールペンでは線が見えなくて困ってしまいますよね。
そんな時に活躍するのが、学校の黒板で使う「チョーク」です。
成分的にもチャコペン(特にチャコナーや三角チャコ)に近く、粉末を固めたものなので、布に乗せやすく払い落としやすいという特徴があります。
使い方は簡単で、チョークの角を使って線を引くだけです。
もしチョークが太くて書きにくい場合は、カッターで削って先を尖らせると使いやすくなります。
チョークの線は手で叩いたり、ブラシをかけたりするだけで簡単に落とせるのが最大のメリットです。
洗濯をする必要がないので、洗えない素材のバッグや小物の制作時には特に便利です。
ただし、粉が飛び散りやすいので、部屋を汚さないように注意してくださいね。
白だけでなく、黄色や赤のチョークもあれば、布の色に合わせて使い分けができるので、家に眠っているチョークがあればぜひ活用してみてください。
チャコペンの代用を使う際の重要な注意点

便利な代用品ですが、あくまで「代用」であるため、専用のチャコペンにはないリスクも存在します。
大切な作品を台無しにしないために、必ず知っておいてほしい注意点と、失敗しないためのコツをまとめました。
アイロンや洗濯で消えるか確認する
代用品を使う上で最も恐ろしいのは、「完成した後に線が消えない!」という事態です。
特に油性のボールペンやマジック、クレヨンなどは、一度布に書いてしまうと洗濯しても漂白しても完全に落とすのは困難です。
必ず使用する前に、そのペンの性質を確認してください。
また、「水性ペンだから大丈夫」と過信して、いきなり作品の表側に線を引くのも危険です。
インクの色素によっては、繊維に定着してしまい、洗濯しても薄く残ってしまうことがあります。
特に薄い色の布や、高級な生地を使う場合はリスクが高まります。
フリクションボールペンのように熱で消えるタイプも、前述の通り「色が透明になるだけ」で成分は残っています。
長期的な変色や浮き出しのリスクを考慮し、必ず不要な布の端切れで「書いて、消す」というテストを行ってから本番に使う癖をつけましょう。
このひと手間が、後悔を防ぐ最大の防御策です。
必ずテストを!
いきなり本番の布に書かず、同じ布の端切れで「線が消えるか」「跡が残らないか」を確認してから使用しましょう。
布地を傷めない代用品の選び方

道具の選び方によっては、布の繊維そのものを傷つけてしまうことがあります。
例えば、芯の硬い鉛筆(HBやHなど)や、ペン先の鋭利なボールペンを強く押し付けると、繊維が切れたり、引っ張られて「ひきつれ」が起きたりする原因になります。
特に、シルクやサテンのようなデリケートな薄い生地や、ニットのような目が粗く柔らかい生地は注意が必要です。
こうした生地に代用品を使う場合は、物理的に引っかき傷がつかない「チョーク」や「石鹸」、あるいは「マスキングテープ」のような貼るタイプを選ぶのが賢明です。
逆に、キャンバス地やデニムのような厚手で丈夫な生地であれば、多少硬めの色鉛筆やボールペンでも問題なく使えることが多いです。
布の厚さや柔らかさに合わせて、「書く道具」の硬さを選ぶという視点を持つと、失敗がぐっと減りますよ。
刺繍の下書きに最適なアイテムは

刺繍の下書き(図案写し)は、通常の縫い代の印付けよりも高い精度が求められます。
線が太いと針を刺す位置が定まらず、仕上がりが歪んでしまうからです。
この用途において、代用品の中で最も適しているのは「フリクションボールペン」だと感じます。
フリクションには0.38mmや0.5mmといった極細のタイプがあり、複雑な図案も紙に書くように繊細に描くことができます。
刺繍が終わった後は、アイロンの蒸気やドライヤーの温風を当てるだけで線が消えるので、図案の線が作品に残って目立つという心配も少ないです。
ただし、黒い布に刺繍をする場合は、通常のフリクション(黒や赤、青)では線が見えません。
残念ながらフリクションには「白」のインクが存在しないため(2025年時点の情報)、黒い布の場合は「白の色鉛筆」や「アイライナー(白)」などで代用するなどの工夫が必要です。
状況に合わせて使い分けてみてください。
| 代用アイテム | 刺繍への適性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| フリクション | ◎(最適) | 細かく書ける・熱で消える | 極寒で色が戻る・白インクがない |
| 鉛筆(2B) | △(微妙) | 手軽にある | 消えない・汚れやすい |
| 石鹸 | △(不向き) | 洗濯で消える | 線が太くなり細かい図案は無理 |
マスキングテープをガイドにする技

「そもそも布に線を書きたくない」「汚れるリスクをゼロにしたい」という方におすすめなのが、マスキングテープ(マステ)を使った方法です。
これは特に、直線の裾上げや、ミシンで真っ直ぐ縫いたい時のガイドとして最強の代用テクニックです。
使い方は簡単で、縫いたいラインに合わせてマスキングテープを布に直接貼るだけ。
あとはテープの端(きわ)に合わせてミシンを走らせれば、線を引かなくても真っ直ぐに縫うことができます。
縫い終わったらテープを剥がすだけなので、インク汚れや消し残りの心配は一切ありません。
粘着力が強すぎるテープだと布の繊維を毛羽立たせてしまうことがあるので、一度手の甲などに貼って粘着力を少し弱めてから布に貼るのがコツです。
曲線には向きませんが、直線の作業ならチャコペンよりも早くきれいに仕上がることも多いので、ぜひ試してみてください。
しつけ糸を使った昔ながらの方法
最後に紹介するのは、ペンなどの道具を使わず、糸で印をつける「切りじつけ」や「しつけ糸での印付け」という昔ながらの方法です。
これは代用品というよりは、本格的な洋裁のテクニックの一つですが、チャコペンがない時の確実な解決策になります。
方法は、印をつけたい場所に針と糸を通し、少し余裕を持たせて糸を残しておくだけです。
この方法の最大のメリットは、表と裏の両方に同時に印がつけられること、そして布を汚す心配が物理的にゼロであることです。
ウールやツイードのような、チャコペンやチョークの粉が乗りにくい凹凸のある生地でも、糸なら確実に位置を示せます。
少し時間はかかりますが、失敗が許されない高価な生地や、絶対に汚したくない白い生地を扱う場合は、急がば回れでこの方法を選ぶのが一番安心かもしれません。
道具に頼らない技術も、知っておくと一生役立ちますよ。
最適なチャコペンの代用で手芸を楽しもう
チャコペンが手元になくても、鉛筆や石鹸、フリクションボールペン、そしてマスキングテープなど、工夫次第でいくらでも代用ができることをお伝えしてきました。
それぞれのアイテムには「熱で消える」「水で消える」「消えない」といった特徴があります。
大切なのは、これから作る作品の用途や、布の素材に合わせて最適なものを選ぶことです。
代用品を上手に活用すれば、わざわざ買い出しに行く時間を節約して、その分を手芸を楽しむ時間に充てることができます。
「あれがないから出来ない」と諦めずに、ぜひ家にあるもので工夫して、素敵なハンドメイドライフを楽しんでくださいね。

