屋台やレストランで見かけるタコスとケバブ。
どちらも美味しそうでつい食べたくなりますが、「具体的に何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、タコスとケバブの違いについて、その歴史的背景から、使われる具材、特徴的な調理方法、そして決め手となる味の違いまで、あらゆる角度から徹底的に紹介します。
さらに、タコスとケバブで使われるトルティーヤは同じものなのか、気になるカロリーはどちらが高いのかといった疑問にも。
また、ブリトーやケサディーヤといった似ている料理との関係性や、シュラスコとケバブの違い、本場のタコスとケバブの違いにも触れ、あなたの「知りたい」をすべて解決します。
- タコスとケバブの起源や文化的な背景の違いがわかる
- 使われる具材や調理法、味付けの決定的な違いを理解できる
- ブリトーやケサディーヤなど類似料理との違いが明確になる
- カロリーや本場での食べ方に関する知識が深まる
項目別で比較!タコスとケバブの違いを徹底解説

- 料理の起源となったそれぞれの歴史
- 使われる肉や野菜など具材の違い
- 特徴的な調理方法の違いを比較
- ソースやスパイスが決め手の味の違い
- タコスとケバブのトルティーヤは別物?
- 気になるカロリーはどちらが高いか
料理の起源となったそれぞれの歴史
タコスとケバブは、見た目が似ていると感じるかもしれませんが、そのルーツは全く異なる地域にあります。
それぞれの料理が持つ歴史を知ることで、違いがより明確になります。
まず、タコスはメキシコが発祥の料理です。
その歴史は古く、スペイン人がメキシコに到着する以前から、先住民たちがトウモロコシから作ったトルティーヤに小さな魚などを乗せて食べていたのが始まりとされています。
16世紀にスペインから豚が持ち込まれてからは、肉を具材としてのせるスタイルが広まり、現在のタコスの原型が形作られていきました。
一方、ケバブはトルコを中心とした中東地域が発祥の料理です。
「ケバブ」とはトルコ語で「焼いた肉」を意味する言葉であり、肉を串に刺して焼く料理の総称を指します。
遊牧民が肉を効率よく調理するために生み出した食文化が起源とされており、その歴史は非常に長いです。
私たちがよく目にする、大きな肉の塊を回転させながら焼き、削ぎ落として提供するスタイルは「ドネルケバブ」と呼ばれ、ケバブの一種です。
ポイントのまとめ
- タコス:メキシコ発祥。先住民の食文化がルーツ。
- ケバブ:中東(特にトルコ)発祥。遊牧民の食文化がルーツ。
このように、タコスは南米、ケバブは中東と、全く異なる文化圏で生まれた料理であることがわかります。
使われる肉や野菜など具材の違い

タコスとケバブでは、使用される具材にも明確な違いがあります。
特に、主役となる肉と、それを包む生地、そして合わせる野菜やソースの組み合わせが、それぞれの個性を際立たせています。
タコスの具材は非常にバリエーション豊かです。
肉は牛肉、豚肉、鶏肉などが使われ、スパイスで炒めたり煮込んだりして調理されます。
魚介を使ったタコスも人気です。
野菜は、刻んだ玉ねぎやコリアンダー(パクチー)、トマトなどが一般的で、フレッシュなサルサソースやワカモレ(アボカドのディップ)を合わせて食べることが多いです。
対照的に、ケバブで使われる肉は、宗教上の理由から豚肉が使われることは少なく、羊肉(ラム)や牛肉、鶏肉が主流です。
大きな塊肉をスパイスやヨーグルトでマリネし、じっくりと焼き上げます。
野菜は、レタスやキャベツの千切り、トマト、玉ねぎなどが挟まれます。
ソースは、ヨーグルトベースのさっぱりしたものや、チリソースベースのピリ辛なものが一般的です。
具材を比較すると、タコスは「自由で多彩」、ケバブは「伝統的で豪快」というイメージが湧いてきますね。
両者の具材の違いを以下の表にまとめました。
項目 | タコス | ケバブ |
---|---|---|
主な肉 | 牛肉、豚肉、鶏肉、魚介など多彩 | 羊肉、牛肉、鶏肉が中心 |
主な野菜 | 玉ねぎ、コリアンダー、トマト | キャベツ、レタス、トマト、玉ねぎ |
主なソース | サルサソース、ワカモレ、ライム | ヨーグルトソース、チリソース |
生地 | トルティーヤ(トウモロコシ or 小麦粉) | ピタパン(小麦粉) |
特徴的な調理方法の違いを比較

タコスとケバブの調理方法は、それぞれの料理のアイデンティティを象徴しています。
どちらも肉を調理して生地で包む点は共通していますが、そのプロセスは大きく異なります。
タコスの調理法は、具材を個別に調理して最後に組み合わせるのが特徴です。
例えば、ひき肉をスパイスで炒め、野菜を刻み、サルサソースを用意するなど、各パーツを準備してから、温めたトルティーヤに乗せて提供されます。
食べる人が自分で具材をトッピングできるスタイルも多く、自由度が高い調理法と言えるでしょう。
一方、ケバブ(特にドネルケバブ)の最大の特徴は、巨大な肉の塊を垂直の串に刺し、回転させながら焼くというダイナミックな調理法です。
専用のロースターで側面からじっくりと火を通し、焼けた表面から肉をナイフで薄く削ぎ落としていきます。
この方法により、肉は余分な脂が落ち、外は香ばしく、中はジューシーに仕上がります。
削いだ肉をピタパンに挟んで提供するのが一般的です。
補足情報
ケバブにはドネルケバブ以外にも、串に刺して焼く「シシケバブ」など様々な種類があります。
しかし、一般的にサンドイッチ形式で食べられるのはドネルケバブです。
このように、調理方法においては、タコスが「素材の組み合わせ」を重視するのに対し、ケバブは「肉の焼き方」そのものに強いこだわりがある点が大きな違いです。
ソースやスパイスが決め手の味の違い

タコスとケバブの味の方向性を決定づけているのが、ソースとスパイスの使い方です。
どちらも食欲をそそる味わいですが、その風味は全く異なります。
タコスの味付けは、フレッシュでスパイシーなのが特徴です。
具材の肉にはチリパウダーやクミン、オレガノといったスパイスが使われ、ピリ辛で複雑な風味が加わります。
そして、味の決め手となるのがサルサソースです。
トマト、玉ねぎ、唐辛子、コリアンダーなどを刻んで作るサルサは、爽やかな酸味と辛味を与えてくれます。
最後にライムを搾ることで、全体の味が引き締まり、さっぱりとした後味になります。
対してケバブの味付けは、ハーブとヨーグルトを活かした、まろやかでエキゾチックな風味が特徴です。
肉をマリネする際には、オレガノ、ミント、パプリカなどのハーブやスパイスが使われます。
そして、ケバブサンドに欠かせないのがヨーグルトソースです。
ニンニクやハーブを加えたヨーグルトソースは、焼いた肉の香ばしさと絶妙にマッチし、濃厚でありながらもさっぱりとした味わいを生み出します。辛さを加えたい場合は、チリソースをかけることもあります。
注意点
どちらの料理も、お店や地域によって味付けは大きく異なります。
ここで紹介したのはあくまで一般的な味の特徴です。
様々なバリエーションを試してみるのも楽しみの一つです。
タコスとケバブのトルティーヤは別物?

「タコスもケバブも、薄いパンのような生地で具材を包む」という点が、両者を混同しやすい最大の理由かもしれません。
しかし、この生地は似て非なるものです。
結論から言うと、タコスで使われるのは「トルティーヤ」、ケバブで使われるのは「ピタパン」であり、これらは明確に異なります。
トルティーヤは、トウモロコシの粉または小麦粉を原料として作られる、非常に薄い無発酵のパンです。
メキシコの伝統的な主食であり、焼いたり揚げたりして様々な料理に使われます。
柔らかいソフトタイプと、揚げてパリパリにしたハードタイプがあります。
一方、ピタパンは、小麦粉を主原料とし、酵母で発酵させてから焼くパンです。
焼くと中が空洞になるのが特徴で、ポケット状になった部分に具材を詰めて食べます。
トルティーヤに比べて厚みがあり、もっちりとした食感です。
生地の比較
- トルティーヤ(タコス用):トウモロコシ粉 or 小麦粉。無発酵で薄い。
- ピタパン(ケバブ用):小麦粉。発酵させており、厚みがあってもっちりしている。
このように、原料や製法が異なるため、食感や風味も全く違います。
この生地の違いが、タコスとケバブの食体験を大きく分けているのです。
気になるカロリーはどちらが高いか

タコスとケバブ、どちらも美味しいですが、カロリーが気になる方も多いでしょう。
ただし、これらの料理のカロリーは具材やソース、サイズによって大きく変動するため、一概に「どちらが高い」と断定することは困難です。
一般的に、タコスはトルティーヤが小さく、野菜が中心であれば比較的ヘルシーに楽しむことができます。
しかし、チーズやサワークリームをたっぷりかけたり、揚げた魚を具材にしたりするとカロリーは高くなります。
一方、ケバブはローストした肉がメインであり、ピタパンもトルティーヤよりは大きいため、ボリューム感があります。
ヨーグルトソースはマヨネーズベースのソースよりはカロリーが低い傾向にありますが、肉の量や脂身の多さによっては高カロリーになる可能性があります。
注意事項
ここで示すカロリーはあくまで一般的な目安であり、医学的な正確性を保証するものではありません。
具体的な数値は、提供されるお店の公式サイトや栄養成分表示で確認することをおすすめします。
例えば、ある飲食店の情報によると、標準的なケバブサンドは約500kcal、タコスは1つあたり約200kcal〜300kcalとされていますが、これはあくまで一例です。
結論として、どちらも選び方次第でカロリーは大きく変わります。
ヘルシーに楽しみたい場合は、肉の脂身が少ない部位を選んだり、野菜を多めにしたり、クリーミーなソースを控えめにするなどの工夫が有効です。
類似料理から紐解くタコスとケバブの違い

- タコスの仲間ブリトーとの関係性
- 同じメキシコ料理のケサディーヤとは
- シュラスコとケバブの違いも解説
- 本場のタコスとケバブに違いはある?
- 総まとめ!タコスとケバブの違いを理解
タコスの仲間ブリトーとの関係性

タコスとしばしば比較されるメキシコ料理に「ブリトー」があります。
どちらもトルティーヤを使うため混同されがちですが、食べ方とボリュームに大きな違いがあります。
タコスは、比較的小さめのトルティーヤに具材を乗せ、二つに「折って」食べるのが基本スタイルです。
具材はシンプルで、スナック感覚で気軽に楽しめます。
対してブリトーは、大きめの小麦粉のトルティーヤを使用し、肉や野菜に加えてご飯や豆のペーストなどの具材をたっぷりと入れて、完全に「巻いて」包み込みます。
具材がこぼれないように両端を折りたたんで閉じるのが特徴で、一本で満足できる食事としての側面が強いです。
豆知識:ブリトーの名前の由来
「ブリトー」はスペイン語で「小さなロバ」を意味します。
その形がロバの背中に積まれた荷物に似ていることから名付けられたという説があります。
つまり、タコスが「オープンサンド」に近い感覚だとすれば、ブリトーは「ラップサンド」に近いと言えるでしょう。
生地は同じトルティーヤでも、食べ方とボリューム感で明確に区別されています。
同じメキシコ料理のケサディーヤとは

もう一つ、タコスと関連が深いメキシコ料理に「ケサディーヤ」があります。
こちらもトルティーヤを使いますが、主役となる食材が異なります。
ケサディーヤの最大の特徴は、「チーズ」が主役であることです。
「ケソ」がスペイン語でチーズを意味するように、トルティーヤにたっぷりのチーズと、お好みで肉や野菜などの具材を挟み、二つ折りにして両面を焼いた料理です。
外はカリッと、中はとろーりとしたチーズの食感が魅力で、ピザのようにも楽しめる一品です。
サルサやワカモレにつけて食べることが多く、おつまみや軽食として人気があります。
メキシコ料理の比較
- タコス:具材を「乗せて折る」。主役は肉や魚介。
- ブリトー:具材を「巻いて包む」。ご飯も入る食事系。
- ケサディーヤ:チーズを「挟んで焼く」。主役はチーズ。
このように、同じトルティーヤを使いながらも、調理法や主役となる食材によって全く異なる料理として確立されています。
シュラスコとケバブの違いも解説

大きな肉の塊を串に刺して焼くという点で、ケバブと「シュラスコ」を似ていると感じる人もいるかもしれません。
しかし、これらもまた、発祥地も調理法も異なる料理です。
シュラスコは、ブラジル発祥のバーベキュー料理です。
鉄の串に牛肉や豚肉、鶏肉などの大きな塊を刺し、炭火でじっくりと焼き上げます。
最大の特徴は、焼きあがった肉をテーブルまで運び、客の目の前で好きなだけ切り分けてくれるサービススタイルです。
岩塩でシンプルに味付けすることが多く、肉本来の味をダイレクトに楽しみます。
一方、前述の通りケバブは中東発祥で、垂直の串で回転させながら焼くのがドネルケバブのスタイルです。
肉はハーブやスパイスでマリネされており、削ぎ落とした肉をパンに挟んで食べるのが一般的です。
シュラスコは「肉のフルコース」、ケバブは「肉のファストフード」と考えると、違いがイメージしやすいかもしれませんね。
発祥地、焼き方、味付け、そして提供スタイル、その全てにおいてシュラスコとケバブは異なる文化を持つ肉料理なのです。
本場のタコスとケバブに違いはある?

日本で食べられているタコスやケバブと、本場で食べられているものには、いくつか違いがあります。
現地のスタイルを知ることで、より深く料理を理解できます。
本場のタコス
メキシコで「タコス」と言えば、一般的に柔らかいトウモロコシの小さなトルティーヤ(ソフトシェル)を使ったものを指します。
日本やアメリカでよく見られる、パリパリに揚げたU字型のトルティーヤ(ハードシェル)は、実はアメリカで生まれたスタイルです。
本場の具材は非常に多様で、牛肉の様々な部位や豚肉、羊肉などが使われ、屋台ごとに自慢の味があります。
シンプルに肉と刻み玉ねぎ、コリアンダー、そしてサルサとライムで味わうのが基本です。
本場のケバブ
トルコでのケバブは、私たちが知るドネルケバブだけではありません。
串焼きのシシケバブ、ヨーグルトをかけて食べるイスケンデルケバブなど、数百種類も存在すると言われています。
ドネルケバブも、パンに挟むだけでなく、お皿にご飯や野菜と一緒に盛り付けてナイフとフォークで食べるスタイルも一般的です。
味付けも地域によって様々で、よりスパイスの風味が豊かなものが多いです。
日本で提供されているものは、日本人向けにアレンジされていることが多いですが、本場の味を追求しているお店も増えています。
機会があれば、ぜひ本場のスタイルに近いタコスやケバブを試してみてはいかがでしょうか。
タコスとケバブの違いを比較紹介!歴史や具材まで網羅を総括
この記事では、タコスとケバブの違いについて、多角的に紹介してきました。
この記事のポイントをまとめます。
- タコスの発祥はメキシコ
- ケバブの発祥はトルコを中心とした中東
- タコスはトルティーヤという薄い生地を使う
- ケバブはピタパンという厚みのあるパンを使う
- タコスの生地はトウモロコシ粉か小麦粉が原料
- ピタパンの生地は小麦粉が原料で発酵させる
- タコスの具材は牛肉や豚肉などバリエーション豊か
- ケバブの具材は羊肉や鶏肉が中心
- タコスの味付けはサルサソースが決め手のスパイシー風味
- ケバブの味付けはヨーグルトソースが特徴のまろやかな風味
- タコスは具材を個別に調理して乗せる
- ケバブは大きな肉塊を回転させながら焼いて削ぐ
- ブリトーはタコスと同じトルティーヤを使うが巻き方が違う
- ケサディーヤはチーズを主役にしてトルティーヤで挟み焼く
- シュラスコはブラジル発祥の肉料理で提供方法が異なる