スーパーでよく見かけるチンゲン菜と小松菜。
どちらも緑黄色野菜ですが、チンゲン菜と小松菜の違いを正確に説明するのは難しいかもしれません。
見た目は似ていますが、原産地や旬、味わい、食感にはそれぞれ特徴があります。
また、栄養価にどれくらい差があるのか、お互いに代用は可能なのかも気になるところです。
この記事では、チンゲン菜と小松菜の違いについて、見た目から選び方、正しい保存方法まで詳しく紹介します。
さらに、小松菜やチンゲンサイを使ったおすすめのレシピ、特に鍋での使い分けのコツもご紹介します。
- チンゲン菜と小松菜の見た目や味、食感の明確な違い
- どちらが栄養価に優れているかの比較
- それぞれの特徴を活かしたおすすめのレシピや調理法
- 料理の際に代用が可能かどうかの判断基準
チンゲン菜と小松菜 違いの比較

- 見た目の特徴
- 旬の時期と原産地
- 味・食感の違い
- 栄養価の比較
見た目の特徴
チンゲン菜と小松菜は、一見すると似ていますが、細部を観察すると明確な違いがあります。
最も分かりやすいのは茎の部分です。
チンゲン菜は、茎の根元がぷっくりと丸く、肉厚で幅が広いのが特徴です。
色は淡い緑色をしています。
葉は光沢があり、丸みを帯びた形で、茎から直接広がっているように見えます。
一方、小松菜は、茎が比較的細く、根元から葉先までスッと伸びています。
茎の色はチンゲン菜よりも濃い緑色をしていることが多いです。
葉はチンゲン菜に比べるとやや薄く、形も丸みを帯びていますが、全体的にシュッとした印象を受けます。
見分け方のポイント
- チンゲン菜: 茎が太く、肉厚で丸みがある。淡い緑色。
- 小松菜: 茎が細く、スッと伸びている。濃い緑色。
原産地の違い

二つの野菜は、その生まれ故郷も異なります。
チンゲン菜は、中国が原産の野菜です。
アブラナ科アブラナ属の非結球性白菜(ハクサイ)の一種で、中国野菜として古くから栽培されてきました。
日本に伝わったのは、日中国交正常化がきっかけとなった1970年代頃と比較的新しい野菜です。
対照的に、小松菜は日本が原産の野菜です。
江戸時代初期に、現在の東京都江戸川区小松川周辺で、カブ(蕪)と他の菜類が交雑して生まれたと言われています。
地名を取って「小松菜」と名付けられた、江戸野菜の代表格です。
旬の時期

現在ではどちらもハウス栽培が進んでおり、一年中スーパーで見かけることができますが、本来の旬、つまり最も美味しく栄養価が高まる時期には違いがあります。
チンゲン菜の旬は、主に秋から冬(9月〜12月頃)です。
涼しい気候を好み、寒さに当たると甘みが増すため、この時期のものは特に美味しいとされています。
小松菜も同様に、冬(11月〜2月頃)が旬です。
小松菜は耐寒性が非常に強く、霜が降りるほどの寒さにあたると、葉に糖分を蓄えて凍結を防ごうとするため、甘みが格段に増します。
「寒締め小松菜」として出回ることもあります。
味の違い

チンゲン菜と小松菜は、味わいにも個性があります。
チンゲン菜は、味が淡白でクセが少ないのが特徴です。
加熱するとほのかな甘みが出ますが、青菜特有の苦味やえぐみはほとんど感じられません。
このため、どのような調味料や食材とも合わせやすい利点があります。
小松菜は、チンゲン菜に比べると野菜らしい風味がやや強く、わずかな苦味やえぐみを感じることがあります。
ただし、ほうれん草ほどアクは強くなく、下茹でなしで使える手軽さが魅力です。
前述の通り、特に冬の小松菜は甘みが強いです。
食感の違い

調理した際の食感も、料理の仕上がりを左右する重要なポイントです。
チンゲン菜の最大の魅力は、肉厚な茎のシャキシャキとした食感です。
加熱しても煮崩れしにくく、水分を多く含んでいるため、みずみずしさが保たれます。
葉の部分は非常に柔らかく、茎との対比が楽しめます。
小松菜は、茎も葉も全体的にシャキシャキとした歯切れの良い食感が特徴です。
チンゲン菜の茎ほどのボリューム感はありませんが、炒め物やおひたしにすると、心地よい食感が残ります。
火が通りやすい点も特徴と言えます。
栄養価の比較
チンゲン菜と小松菜はどちらも緑黄色野菜であり、健康維持に役立つ栄養素を含んでいますが、その含有量には違いが見られます。
全体的な傾向として、多くの栄養項目で小松菜の方がチンゲン菜を上回るとされています。
特に小松菜は、骨の健康維持に役立つカルシウムやビタミンK、貧血予防に効果が期待できる鉄分、抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンCを豊富に含んでいます。
一方で、チンゲン菜もカルシウムを含んでおり、その量はほうれん草を上回るとされています。
また、βカロテンも豊富です。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、可食部100gあたりの主な成分には以下のような情報があります。
どちらも低カロリーで優秀な野菜であることが分かります。
| 栄養素 | チンゲン菜(生) | 小松菜(生) |
|---|---|---|
| エネルギー | 9 kcal | 13 kcal |
| カルシウム | 100 mg | 170 mg |
| 鉄 | 1.1 mg | 2.8 mg |
| βカロテン当量 | 2000 µg | 3100 µg |
| ビタミンK | 79 µg | 210 µg |
| ビタミンC | 24 mg | 39 mg |
| 葉酸 | 66 µg | 110 µg |
(参照:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」)
これらの数値はあくまで目安であり、栽培条件や時期によって変動する可能性があります。
健康や栄養に関する詳細な情報については、専門家にご相談ください。
チンゲン菜と小松菜 違いの活用法

- チンゲン菜と小松菜は代用できる?
- 小松菜とチンゲン菜の鍋での使い方
- 小松菜とチンゲンサイのレシピ紹介
- 正しい保存方法と選び方
チンゲン菜と小松菜は代用できる?
結論から言うと、チンゲン菜と小松菜は多くの料理で代用が可能です。
どちらもアブラナ科の野菜で、加熱してもカサが減りすぎず、調理法も似ているためです。
ただし、それぞれの特徴を理解して使い分けるのがおすすめです。
私であれば、料理によって使い分けますね。
例えば、中華料理や煮込み料理など、茎のシャキシャキ感を活かしたい、あるいは煮崩れを防ぎたい場合にはチンゲン菜を選びます。
味にクセがないので、クリーム煮などにも向いています。
一方、おひたしや和え物、炒め物で、シャキッとした歯切れの良さや野菜の風味を楽しみたい場合は小松菜が適しています。
栄養価をより多く摂りたい場合も小松菜が良い選択肢となります。
小松菜とチンゲン菜の鍋での使い方

鍋料理は、冬野菜であるチンゲン菜と小松菜が活躍する代表的なメニューです。
ここでも、二つの違いを意識すると良いでしょう。
チンゲン菜は、煮崩れしにくいのが最大の強みです。
肉厚な茎は火を通してもシャキシャキ感が残り、葉は柔らかくトロリとした食感になります。
味が染み込みやすいため、寄せ鍋やすき焼き、ちゃんこ鍋など、じっくり煮込むタイプの鍋に向いています。
小松菜は、火の通りが早いのが特徴です。
サッと煮るだけで食べられるため、しゃぶしゃぶや水炊き、常夜鍋など、短時間で火を通す鍋に適しています。
鮮やかな緑色とシャキシャキ感が、鍋の良いアクセントになります。
ただし、煮込みすぎると食感が損なわれやすいため注意が必要です。
小松菜とチンゲンサイのレシピ紹介

それぞれの野菜の特徴を活かした、代表的なレシピをご紹介します。
チンゲン菜のおすすめレシピ
チンゲン菜は、その食感と味のクセのなさから、油を使った調理法や、煮込み料理で真価を発揮します。
- 中華炒め: ごま油で豚肉やシーフードと一緒に強火でサッと炒めると、茎のシャキシャキ感が際立ちます。
- クリーム煮: 鶏肉やホタテと一緒に煮込むと、淡白なチンゲン菜にコクが加わります。
- スープ・煮びたし: 煮崩れしにくい特性を活かし、スープの具材や、だしでじっくり煮込む煮びたしにも最適です。
小松菜のおすすめレシピ
小松菜は、アクが少なく下茹で不要な手軽さを活かし、和洋中さまざまな料理に使えます。
- おひたし・和え物: サッと茹でて、だし醤油やごま和え、辛子和えにすると、シャキシャキ感が楽しめます。
- 炒め物: 油揚げや豚肉など、油との相性が抜群です。ニンニクや生姜を効かせると風味が増します。
- スムージー: アクが少ないため、バナナやりんごなどと一緒にスムージーにするのも人気です。
正しい保存方法

チンゲン菜も小松菜も、葉野菜であるため鮮度が落ちやすいです。
正しい方法で保存し、美味しさを長持ちさせましょう。
冷蔵保存の場合
基本的な方法はどちらも同じです。
- 湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で、野菜全体(特に根元)を包みます。
- ポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。
- 冷蔵庫の野菜室で、必ず立てた状態で保存します。
横に寝かせると、野菜が起き上がろうとしてエネルギーを消費し、鮮度が落ちやすくなります。
この方法で、3日〜5日程度が保存の目安です。
冷凍保存の場合
すぐに使い切れない場合は、冷凍保存が便利です。
どちらも生のまま、またはサッと茹でてから冷凍できます。
- 生のまま冷凍:
使いやすい大きさにカットし、水気をよく拭き取ってから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。
使う際は、凍ったまま炒め物やスープ、鍋に入れます。 - 茹でてから冷凍:
固めにサッと茹で、冷水に取って水気をしっかり絞ります。
使いやすい長さにカットし、小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
おひたしや和え物に使う場合に便利です。
選び方
新鮮なチンゲン菜・小松菜の選び方はどちらも以下の点をチェックするのがおすすめです。
- 切り口が白く、乾燥していないもの
- 葉の緑色が鮮やかで濃いもの
- 葉先までハリがあり、みずみずしいもの
- 茎が太く、しっかりしているもの(特にチンゲン菜は根元が肉厚なもの)
チンゲン菜と小松菜の違いを総括
この記事のポイントを以下にまとめます。
- チンゲン菜と小松菜はどちらもアブラナ科の緑黄色野菜
- 見た目の違いは茎で チンゲン菜は太く丸く 小松菜は細くスッと伸びている
- 原産地は チンゲン菜が中国 小松菜が日本
- 旬はどちらも主に冬で 寒さで甘みが増す
- 味は チンゲン菜が淡白でクセがなく 小松菜はわずかに風味や苦味がある
- チンゲン菜の食感はが茎のシャキシャキ感と葉の柔らかさ
- 小松菜の食感は全体的な歯切れの良さが特徴
- 栄養価は全体的に小松菜が優れている傾向がある
- 特に小松菜はカルシウムや鉄分 ビタミンKが豊富とされる
- チンゲン菜もカルシウムやβカロテンを含む
- 多くの料理で代用は可能
- チンゲン菜は中華料理や煮込み料理に向いている
- 小松菜は和え物や炒め物 スムージーなどに向いている
- 鍋料理では チンゲン菜は煮崩れにくく 小松菜は火の通りが早い
- 保存は湿らせた紙で包み 野菜室で立てて冷蔵するのが基本
- 冷凍保存も可能で 生のままでも茹でてからでも良い

