トマトを切った時、トマト 中が黒い状態になっていると驚きますよね。「トマトの中が黒いのは食べられるのだろうか?」と不安になる方も多いでしょう。
この記事では、トマトの中が黒くなる原因を探り、特に低温障害による黒ずみの特徴や、カビと傷みの違いを見極めるポイントについて紹介します。
また、食べても大丈夫な黒い部分の見分け方、腐っている危険なトマトのサイン、黒い種の周りは食べられるのかといった疑問にもお答えします。
さらに、トマト中が黒い時の対処法や、もしもの時の傷んだトマトの活用レシピ、正しい保存方法、そして購入時に避けるべきトマトの選び方まで、網羅的にご紹介します。
この記事を読めば、黒いトマトに関する疑問がすべて解決するはずです。
- トマトの中が黒くなる主な原因
- 食べられる黒ずみと危険な腐敗の見分け方
- 黒い部分を発見した時の具体的な対処法
- トマトを長持ちさせる正しい保存方法と選び方
トマトの中が黒いのは大丈夫?原因と見分け方

- トマトの中が黒いのは食べられる?
- 食べても大丈夫な黒い部分の見分け方
- 黒い種の周りは食べられる?
- カビと傷みの違いを見極めるポイント
- 腐っている危険なトマトのサイン
- トマトの中が黒くなる原因とは
- 低温障害による黒ずみの特徴
トマトの中が黒いのは食べられる?
結論から言うと、トマトの中が黒くなっていても、その部分を取り除けば食べられるケースが多いです。
切ってみて初めて黒い部分を発見すると驚きますが、すぐに全体を廃棄する必要はありません。
ただし、これは黒ずみの原因によります。
例えば「尻腐れ病」や「黒斑病」といった生理障害や一部の病気の場合、病原菌が原因ではないため、黒い部分を取り除けば残りは食べられるとされています。
尻腐れ病の場合、カルシウム不足が原因ですが、黒くなった部分以外はむしろ甘みが強いという特徴もあります。
注意点:腐敗やカビが原因の場合
明らかに異臭がする、ぬめりがある、黒い部分がゼリー状に溶けている(グジュグジュしている)場合は、腐敗が始まっています。
この場合は食中毒の危険があるため、食べるのは絶対にやめてください。
食べても大丈夫な黒い部分の見分け方

食べても大丈夫な黒い部分かどうかは、主に「見た目」「硬さ」「臭い」の3点で判断します。
まず、食べられる黒ずみ(尻腐れ病など)は、黒い部分が比較的硬く、乾燥している傾向があります。
トマトの他の部分はしっかりとしており、色艶も正常です。
臭いも、トマト本来の青臭さや甘い香りがします。
一方、危険な腐敗の場合、黒い部分がぶよぶよと柔らかく、水分が出ていたり、ぬめりを帯びていたりします。
酸っぱい臭いやカビ臭いといった異臭がするのも特徴です。
この違いをしっかり見極めることが重要です。
黒い種の周りは食べられる?

トマトを切った際、種の周りのゼリー状の部分だけが黒っぽく変色していることがあります。
これは「黒変」と呼ばれる現象で、熟しすぎや低温障害が原因で発生することがあります。
この場合も、異臭やぬめりがなく、他の果肉部分がしっかりしていれば、黒ずんだゼリー部分をスプーンなどで取り除くことで、残りの部分は食べることが可能です。
ただし、ゼリー部分が溶けてグジュグジュになっている場合は、腐敗の始まりである可能性が高いため、食べるのを避けた方が賢明です。
カビと傷みの違いを見極めるポイント
黒い部分が「食べられる傷み(生理障害)」なのか、「危険なカビや腐敗」なのかを見極めるのは難しい場合があります。
以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 判断基準 | 食べられる可能性が高い傷み (尻腐れ、低温障害など) | 危険なカビ・腐敗 |
|---|---|---|
| 見た目 | 黒い部分が部分的・局所的。表面が比較的乾燥している。 | 白い綿状のものや青黒い斑点が見える。全体に広がっている。 |
| 硬さ・感触 | 黒い部分は硬いか、少し陥没している程度。他の部分はハリがある。 | 黒い部分がぶよぶよ、ドロドロ、ぬめりがある。 |
| 臭い | トマト本来の香り、または無臭。 | 酸っぱい臭い、カビ臭い、腐敗臭など、明らかな異臭がする。 |
特に白いフワフワしたカビが見える場合は、菌糸が内部深くまで入り込んでいる可能性があるため、取り除いても安全とは言えません。
その場合は廃棄することをおすすめします。
腐っている危険なトマトのサイン

以下のサインが見られるトマトは、腐敗やカビが進行している可能性が非常に高いです。
健康を守るためにも、食べるのは避けてください。
危険なトマトのチェックリスト
- 酸っぱい臭いや、すえたような異臭がする
- 全体がぶよぶよと柔らかく、形が崩れている
- 皮の表面やヘタの周りに、白いカビや黒いカビが発生している
- 切った時に中身がゼリー状に溶けている、または糸を引いている
- トマトから水分(ドリップ)が出て、ぬめりがある
これらの特徴が一つでも当てはまる場合は、可食部が残っているように見えても、全体が菌に汚染されている可能性があります。
安全を最優先し、廃棄する勇気を持ちましょう。
トマトの中が黒くなる原因とは

トマトの中が黒くなる原因は一つではありません。
いくつかの要因が考えられます。
最も一般的な原因の一つが「尻腐れ病」です。
これは病という名前がついていますが、菌やウイルスではなく、栽培中のカルシウム不足が主な原因で起こる生理障害です。
この場合、お尻(先端)の部分から黒く陥没していきます。
もう一つの主な原因は「低温障害」です。
トマトは冷やしすぎると組織が壊死し、特に種の周りのゼリー部分が黒っぽく変色することがあります。
他にも、水分管理の失敗、栄養素の偏り(チッソ過多など)、熟しすぎによる内部の変色、あるいはカビや細菌による病気(炭疽病、黒斑病など)も原因となり得ます。
低温障害による黒ずみの特徴
トマトを長持ちさせようと冷蔵庫で保存している方は多いですが、それが黒ずみの原因になることがあります。これが「低温障害」です。
トマトはもともと暖かい地域の野菜であり、5℃以下の環境に長時間置かれると、細胞組織がダメージを受けてしまいます。
その結果、以下のような特徴が現れます。
低温障害の主な症状
- 切った時に種の周りのゼリー部分が黒っぽく変色する
- 果肉の一部が水っぽくなる(水浸状)
- 皮にハリがなくなり、シワシワになる
- 追熟が止まり、風味が落ちる
低温障害による黒ずみは、腐敗とは異なるため、異臭やぬめりがなければ、黒い部分を取り除いて食べることは可能です。
しかし、風味は格段に落ちてしまいます。
トマトの美味しさを保つためにも、冷やしすぎない保存方法が推奨されます。
トマトの中が黒い場合の対処法と予防策

- トマト中が黒い時の対処法
- 傷んだトマトの活用レシピ
- 正しいトマトの保存方法
- 購入時に避けるべきトマトの選び方
トマト中が黒い時の対処法
トマトの中が黒い状態を発見した時は、慌てずにまず状態をチェックすることが大切です。
ステップ1:状態の確認
まずは、前述の「腐っている危険なトマトのサイン」に当てはまらないかを確認します。
特に異臭、ぬめり、カビの3点は入念にチェックしてください。
ステップ2:安全な場合の対処
異臭やぬめりがなく、尻腐れ病や低温障害のような生理障害だと判断できる場合は、黒くなっている部分と、その周辺部を少し広めに包丁で切り取ります。
ステップ3:加熱調理する
取り除いた後のトマトは、念のため生で食べるのは避け、できるだけ早く加熱調理することをおすすめします。
スープやソースなどに使うと、風味の低下もカバーしやすいです。
少しでも「あやしいな」「不安だな」と感じた場合は、無理をせず廃棄するのが最も安全な対処法です。
傷んだトマトの活用レシピ

黒い部分を取り除いたトマトや、低温障害で風味が落ちてしまったトマトは、生食には向きませんが、加熱することで美味しく活用できます。
傷みは足が早いため、すぐ調理するのがポイントです。
おすすめは「トマトソース」
最もおすすめなのは、煮込んでしまうことです。
玉ねぎやニンニクと一緒にオリーブオイルで炒め、水やコンソメを加えて煮込めば、万能トマトソースが完成します。
味が薄い場合は、ケチャップや砂糖を少し加えるとコクが出ます。
パスタソースや煮込み料理のベースとして、冷凍保存も可能です。
手軽な「スープ」
角切りにしたトマトを、コンソメスープやミネストローネの具材として加えるのも手軽です。
加熱することで酸味が飛び、旨味が凝縮されます。
これらのレシピは、あくまで「腐敗していない」ことが大前提です。
異臭やぬめりのあるトマトは、加熱しても安全にはなりませんので、絶対に使用しないでください。
正しいトマトの保存方法

トマトの中が黒くなる原因の一つである「低温障害」は、正しい保存方法で防ぐことができます。
ポイントは「温度」です。
基本は常温保存
まだ青みが残っているトマトや、完熟していても2〜3日以内に食べる場合は、風通しの良い冷暗所での常温保存が最適です。
トマト同士が重ならないよう、ヘタを下にして並べておくと傷みにくくなります。
冷蔵庫に入れる場合
完熟して食べきれないトマトを保存する場合は、野菜室を利用します。
低温障害を避けるため、冷気が直接当たらないようキッチンペーパーや新聞紙で一つずつ包み、ポリ袋に入れて口を軽く縛ります。
豆知識:完熟トマトの目安
全体が真っ赤に色づき、ヘタの周りまで赤くなっているものが完熟のサインです。
お尻の部分から放射状に白い線(スターマーク)が出ていると、甘いトマトと言われています。
冷蔵庫から出したトマトは、食べる30分ほど前に常温に戻しておくと、風味が引き立ちます。
購入時に避けるべきトマトの選び方

購入段階で、傷みやすいトマトや既に問題のあるトマトを避けることも重要です。
以下の点に注意して選びましょう。
避けるべきトマトの特徴
- ヘタが黒ずんでいる、またはカビている → ヘタは鮮度のバロメーターです。緑色でピンとしているものを選びます。
- 皮にハリがなく、シワが寄っている → 水分が抜けて鮮度が落ちています。
- お尻(先端)の部分が黒っぽく変色している → 尻腐れ病の可能性があります。
- 持った時にぶよぶよと柔らかい部分がある → 内部で傷みが始まっているサインです。
- パックの底に水分が溜まっている → 傷んだトマトから出たドリップの可能性があります。
逆に、全体が均一に赤く、皮にハリとツヤがあり、ヘタが新鮮な緑色をしているものが、健康で美味しいトマトの証です。
トマト 中が黒い状態の判断ポイント
最後に、トマトの中が黒い状態に遭遇した際の判断ポイントと対処法をまとめます。
- トマトの中が黒くてもすぐに廃棄しないで状態を確認する
- 黒い部分が硬く乾燥していれば生理障害の可能性がある
- 異臭やぬめりがなければ黒い部分を取り除いて食べられることが多い
- 尻腐れ病はカルシウム不足が原因の生理障害
- 尻腐れ病の部分以外は甘みが強いとも言われる
- 種の周りだけが黒いのは低温障害のサイン
- 低温障害は5℃以下での保存が原因で起こりやすい
- ぶよぶよしている黒ずみは腐敗の始まり
- 酸っぱい臭いやカビ臭い場合は危険なサイン
- 白いカビや青カビは全体に菌が回っている可能性がある
- 安全か不安な場合は無理せず廃棄を選ぶ
- 取り除いて食べる際は加熱調理が推奨される
- トマトの保存は基本的に冷暗所での常温が最適
- 冷蔵庫に入れるなら野菜室で乾燥を防ぐ
- 購入時はヘタの緑色と皮のハリをチェックする

