スーパーで赤くて美味しそうなトマトを買ってきたのに、いざ包丁を入れてみたら中身が緑色でびっくりしたことはありませんか?
せっかくの料理に使おうと思っていたのに、これってまだ未熟なのかな、もしかして腐ってる?と不安になってしまいますよね。
実は私自身も、サラダを作ろうとしてこの現象に出くわし、捨ててしまうべきか悩んだ経験があります。
今回は、そんなトマトの中が緑色になっている原因や、毒性成分の有無、そして食べても大丈夫なのかという疑問について詳しく紹介していきます。
- 中身が緑色でも食べて問題ないケースと判断基準
- 未熟なトマトに含まれる成分と体への影響
- 腐っているトマトとの決定的な違いと見分け方
- 酸味が強いトマトを美味しく食べるための対処法
トマトの中が緑でも食べて大丈夫?

外側は真っ赤なのに、切ってみると中のゼリー状の部分(種のマワリ)が緑色だと、なんだか不気味に感じてしまうこともありますよね。
結論から言うと、外側が赤くなっていれば、中が多少緑色でも食べることに問題はありません。
しかし、なぜそのような状態になるのか、毒などの心配はないのか、正しい知識を持っておくことで安心して食卓に出せるようになります。
ここでは、緑色の正体や安全性について、深掘りして紹介していきます。
緑色の正体と毒性成分ソラニン
トマトの緑色成分は主に葉緑素(クロロフィル)ですが、皆さんが心配されるのは「毒」のことだと思います。
ジャガイモの芽に含まれる「ソラニン」と同様に、トマトには「トマチン」という糖アルカロイドの一種が含まれています。
これは植物が害虫から身を守るための成分で、特に真っ青な未熟果実には多く含まれています。
しかし、外側が赤く熟しているトマトであれば、中のゼリー部分が緑色であってもトマチンの量は大幅に減少しており、健康への影響はほとんどありません。
完全に未熟な緑色のトマトを大量に食べない限り、過度な心配は無用です。
中が緑なのは、外皮の色づきに対して内部の成熟が少し遅れているだけというケースがほとんどなんですよ。
腹痛や食中毒のリスクはあるか
「中が緑のトマトを食べたらお腹が痛くなるのでは?」という不安を持つ方も多いでしょう。
先ほど触れたトマチンは、多量に摂取すると腹痛や下痢を引き起こす可能性がありますが、それはあくまで「外側も青くて硬い未熟なトマト」を一度にたくさん食べた場合の話です。
外側が赤いトマトであれば、中が緑色でも毒性は極めて低いため、通常の食事量で食中毒のような症状が出ることはまずありません。
ただし、未熟な分だけ酸味が強かったり、消化が少し悪かったりすることは考えられます。
胃腸が弱っている時やお子様が食べる場合は、念のため皮を剥いたり加熱したりするとより安心ですね。
注意点
稀に、トマトアレルギーや仮性アレルゲンによって口の中がイガイガすることがあります。
緑色の有無に関わらず、違和感を感じたら食べるのを中止してください。
未熟なトマトと腐敗したものの違い

「緑色=未熟」ならまだ良いのですが、「緑色=腐ってる?」と勘違いしてしまうこともあります。
この見極めは非常に重要です。
未熟で中が緑の場合、果肉はしっかりとしていて硬さがあり、匂いもフレッシュなトマトの香りがします。
一方、腐敗が進んでいる場合は、緑色というよりも「濁った暗い色」や「黒ずみ」が見られます。
また、触るとブヨブヨして崩れやすく、酸っぱいような異臭やカビ臭さが鼻につくのが特徴です。
切った断面から汁が勝手に垂れてくるような状態も危険信号です。
中が緑色でも、ハリがあって嫌な臭いがしなければ、それは単に熟しきっていないだけなので安心してください。
ゼリー部分が緑なのはなぜか

では、なぜ外側は赤いのに中だけ緑色なのでしょうか。
これにはトマトの成長過程が関係しています。
トマトは通常、中心部から外側に向かって熟していくイメージがあるかもしれませんが、実際には品種や環境によって、種の周りのゼリー部分(胎座)の成熟が最後になることがあります。
特に、強い日差しを浴びて急激に外側だけが色づいた場合や、収穫のタイミングが少し早かった場合にこの現象が起こりやすいです。
これを「グリーンバック」や「ベースグリーン」と呼ぶこともありますが、生理障害というよりは成長のバラつきの一種です。
スーパーに並ぶまでの流通過程で外側は追熟して赤くなりますが、内部の葉緑素が抜けきらずに残ってしまうことがあるのです。
品種によって中が緑の場合もある

ここまでは一般的な「桃太郎」などの赤トマトの話をしてきましたが、実は元々中身や種周りが緑色のままで完熟となる品種も存在します。
例えば、「グリーンゼブラ」のような緑色のトマトや、一部の高糖度トマトなどは、完熟してもゼリー部分が鮮やかな緑色をしていることが珍しくありません。
最近では道の駅や直売所などで珍しい品種を見かける機会も増えました。
「いつまで経っても赤くならない!」と心配して放置していたら、実はそれが食べ頃だったということもあり得ます。
もし変わった名前のトマトを買った場合は、その品種の特徴を一度ネットで検索してみることをおすすめします。
案外、その緑色が美味しさの証だったりするんですよ。
トマトの中が緑の場合の対処法

食べて安全だと分かっても、「やっぱり青臭いのは苦手」「固くて美味しくなさそう」と感じることもありますよね。
そんな時は、無理してそのまま食べずに、ちょっとした工夫で美味しく変身させましょう。
ここでは、緑色のトマトを美味しく食べるための追熟テクニックや、おすすめの調理法をご紹介します。
常温で放置して追熟させる方法
まだ切っていない丸ごとのトマトであれば、「追熟(ついじゅく)」させるのが一番の解決策です。
トマトは収穫後も呼吸をしており、自らの力で熟成を進めることができます。
方法はとても簡単で、冷蔵庫には入れず、直射日光の当たらない常温の場所(15〜25℃くらい)に置いておくだけです。
カゴやザルに入れて風通しを良くしておくと、数日から1週間程度で全体がより赤くなり、中の緑色も徐々に薄れていきます。
同時に酸味が抜けて旨みが増すので、急いで食べる必要がない場合は、キッチンの片隅で数日休ませてあげましょう。
ヘタを下にして置くと、重みによる潰れを防げますよ。
リンゴと一緒に保存する裏技
「数日も待てない!早く赤くしたい!」というせっかちな(私のような)方におすすめなのが、リンゴを使った裏技です。
リンゴは呼吸する際に「エチレンガス」という植物ホルモンを多く放出します。
このガスには、近くにある果実の成熟を早める作用があるのです。
やり方は、ポリ袋の中に未熟なトマトとリンゴを1個一緒に入れて、口を軽く縛って常温で保存するだけ。
こうすることで、通常よりもスピーディーに追熟が進みます。
バナナやメロンなどでも代用可能ですが、リンゴが最も効果が安定していて扱いやすいですね。
こまめに様子を見て、好みの赤さになったらすぐに袋から出して冷蔵庫に移しましょう。
切った後に赤くすることは可能か

残念ながら、一度包丁で切ってしまったトマトは、もう追熟させることができません。
切断面から酸化が進み、熟す前に傷んで腐ってしまうからです。
「切ってみたら中が緑だった!」という場合、そこから赤くしようとして常温放置するのは絶対にNGです。
切ってしまったけれど中が緑色で硬い…という場合は、生食にこだわらずに調理法を変えるのがベストです。
切ったトマトはラップでぴっちりと包むか、保存容器に入れて冷蔵庫(野菜室)で保管し、なるべくその日のうちか翌日には使い切るようにしましょう。
生で食べるのが厳しい酸味なら、加熱調理への切り替えが正解です。
緑のまま加熱調理するレシピ

中が緑色のトマトは、酸味と硬さがあることを逆手にとって、加熱調理に使うと驚くほど美味しくなります。
例えば、オリーブオイルでニンニクと一緒に炒めるソテーは定番です。
油と加熱の効果で青臭さが消え、甘みが引き立ちます。
また、カレーやスープの具材として煮込んでしまうのもおすすめ。
酸味がコクに変わり、煮崩れしにくいというメリットも活かせます。
アメリカ南部料理の「フライドグリーントマト」のように、衣をつけて揚げてしまうのも絶品です。
中が緑だからこそ味わえる、シャキッとした食感や爽やかな酸味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
個人的には、チーズを乗せてトースターで焼くのが一番手軽でおすすめです。
| 調理法 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| ソテー | 油で炒めて甘みを引き出す | ★★★★★ |
| スープ | 酸味を活かしてさっぱりと | ★★★★☆ |
| チーズ焼き | 酸味と乳製品の相性抜群 | ★★★★★ |
| フライ | サクサク食感が楽しめる | ★★★☆☆ |
電子レンジで甘くするテクニック

「加熱調理する時間もないし、サラダに使いたい…」という場合の緊急措置として、電子レンジを活用する方法があります。
切ったトマトを耐熱皿に並べ、ラップをふんわりとかけて、600Wで20〜30秒ほど軽く加熱してみてください。
完全に火を通すのではなく、ほんのり温めることで果肉が柔らかくなり、酵素の働きで甘みをより強く感じるようになります。
加熱後は冷蔵庫で冷やせば、サラダやマリネとして違和感なく食べられます。
また、レンジ加熱してからオリーブオイルと塩をかけるだけでも、立派なホットサラダになりますよ。
青臭さが一瞬で和らぐので、ぜひ試してほしいテクニックです。
トマトの中が緑の時の判断まとめ
最後に、今回の内容を簡単にまとめておきましょう。
トマトの中が緑色であっても、外側が赤ければ毒性の心配はほとんどなく、安心して食べることができます。
それは腐っているわけではなく、単に成熟のバランスによるものです。
ただし、未熟で硬さや酸味が気になる場合は、切る前なら常温で追熟、切ってしまった後なら加熱調理やレンジ活用で美味しくいただくことができます。
見た目の色だけで「失敗した!」と捨ててしまうのはもったいないですよね。
正しい知識を持っていれば、中が緑のトマトも立派な食材として活用できます。
ぜひ、次回そんなトマトに出会ったら、今日ご紹介した方法を試してみてくださいね。

