園芸を始めようとして土や苗を揃えたけれど、「あれ、底石がない!」と気づいて焦った経験はありませんか?
わざわざ底石だけを買いにお店に行くのは少し面倒ですよね。
実は、プランターの底石の代用は、私たちの身近にある日用品や廃材で十分にまかなうことができるんです。
「専用のものじゃなくて大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが、役割さえ理解すれば問題ありません。
この記事では、元ホームセンター店員の視点から、家にあるもので賢く代用するアイデアをご紹介します。
- 発泡スチロールやペットボトルなど身近な廃材の活用法
- それぞれの代用品を使うメリットとデメリット
- 土壌改良や防虫効果も期待できる意外なアイテム
- 代用品を使う際の注意点と失敗しないコツ
プランターの底石の代用におすすめの品

それでは早速、プランターの底石の代用として使える具体的なアイテムをご紹介していきます。
「えっ、こんなものが?」と驚くような廃材から、園芸コーナーにある別の資材まで、実は選択肢がたくさんあるんです。
ホームセンターで働いていた頃も、お客様から「底石の処分が面倒」という声をよく聞きましたが、ここで紹介する代用品なら、処分が楽だったり、そもそも処分の必要がなかったりと、使い勝手の良いものが揃っていますよ。
発泡スチロールは無料で優秀な資材

まず最初におすすめしたいのが、家電の梱包や食品トレイなどで手に入る発泡スチロールです。
これは私がホームセンターに勤めていた頃、ベテランの園芸担当の先輩からもよく聞いた裏技でした。
使い方はとても簡単で、一口サイズに手でちぎって、鉢底に敷き詰めるだけです。
最大のメリットは、なんといっても「圧倒的な軽さ」ですね。
大きなプランターに本物の石を入れると、土の重さと相まって移動が大変になってしまいますが、発泡スチロールならその重量を大幅にカットできます。
ハンギングバスケットなど、吊るして飾るタイプの鉢植えには特におすすめです。
ただし、軽すぎて風で鉢が倒れやすくなることもあるので、背の高い植物には向きません。
また、植物の根が発泡スチロールに絡みつくと、植え替えの時に分別するのが少し面倒になることもあります。
排水用のネット(みかんのネットなどでも可)に入れてから敷くと、再利用もしやすくて便利ですよ。
ポイント
発泡スチロールは保温性もあるので、冬場の寒さ対策としても期待できます。
無料で手に入り、お財布に優しいのも嬉しいですね。
キッチンの排水口ネットも使える

次にご紹介するのは、キッチンで使う排水口ネットや不要になったストッキングです。
「え、ネット自体を石の代わりにするの?」と思われるかもしれませんが、これは「土漏れ防止」と「通気性の確保」という底石の役割を擬似的に果たす方法です。
具体的には、ネットを数枚丸めてふんわりと鉢底に置いたり、あるいはネットの中に発泡スチロールや小石を詰めて「即席の底石袋」を作ったりして使います。
ストッキングや水切りネットは目が細かいので、土が流れ出るのを防ぎつつ、余分な水はしっかり通してくれます。
この方法は、特に小さな鉢や、底穴が大きい鉢を使う時に有効です。
私が試した中では、深型タイプの排水口ネットに、後述するペットボトルのキャップなどを詰めて使う方法が、通気性も確保できて調子が良かったです。
素材が化学繊維なので腐る心配が少なく、長期間植えっぱなしにする観葉植物などにも向いているかなと思います。
ペットボトルのキャップや切り屑

ゴミとして捨ててしまいがちなペットボトルも、実は立派な園芸資材に変身します。
一番簡単なのは「キャップ」をそのまま使う方法です。キャップはプラスチック製で腐らず、適度な隙間を作ってくれるので、排水性を確保するのに役立ちます。
また、ペットボトルの本体部分をハサミで2〜3cm角にカットしたり、細長く切って丸めたりしたものを敷き詰めるのも効果的です。
特に炭酸飲料のペットボトルのように少し硬めの素材の方が、土の重みで潰れにくいのでおすすめです。
私が実際にやってみて感じたのは、凹凸のある形状が空気の層を作ってくれるので、根腐れ防止にかなり役立つということです。
ただし、平らな破片をただ重ねてしまうと、ペタッと密着して水はけが悪くなる恐れがあります。
立体的に重なるように工夫して入れるか、先ほど紹介した排水口ネットに入れて「塊」にしてから配置するのがコツですね。
注意点
カットしたペットボトルの切り口で手を切らないように注意してください。
軍手をして作業することをおすすめします。
庭にある砂利や小石を活用する

もしお庭があるご家庭なら、そこにある砂利や小石を使うのが最も手っ取り早いかもしれません。
市販の鉢底石も元を正せば軽石や硬質の土などを加工したものですが、自然にある石でも「水はけを良くする」という物理的な役割は十分に果たせます。
拾ってきた石を使う場合は、一度きれいに水洗いして、泥や汚れを落としてから使うのが鉄則です。
雑菌や虫の卵がついている可能性があるため、心配な場合は熱湯をかけて消毒しておくと安心ですね。
以前、洗わずにそのまま使ってしまい、後から雑草が生えてきて困ったことがありました。
デメリットとしては、やはり「重くなる」ことです。
プラスチック製の軽い鉢底石に慣れていると、本物の石を入れたプランターはずっしりと重く感じます。
逆に言えば、強風で倒れやすい背の高い植物や、安定感が必要な場所には、あえて重い砂利を使うのが正解かもしれません。
コストゼロで半永久的に使えるのは大きな魅力です。
赤玉土の大粒なら土に還りエコ

園芸をする方ならお馴染みの基本用土、赤玉土。
この「大粒」タイプを底石の代わりに使う方法は、個人的に一番のお気に入りです。
ホームセンターの園芸コーナーでも、大袋で売られているのをよく見かけると思います。
赤玉土は通気性と排水性が抜群に良いだけでなく、保水性も兼ね備えているので、植物の根にとって非常に快適な環境を作ってくれます。
そして最大のメリットは、使い終わった後の処理が劇的に楽になることです。
軽石などの底石は、植え替えの際に土と分別して洗う必要がありますが、赤玉土なら時間の経過とともに崩れて土に戻っていくため、そのまま古い土と混ぜて再利用したり、庭に撒いて処分したりできます。
「底石を洗うのが面倒くさい!」というズボラな私のようなタイプには、この方法が最強かなと思います。
ただし、長期間使っていると粒が崩れて泥状になり、逆に水はけが悪くなることがあります。
1〜2年で植え替える一年草や野菜のプランター栽培に特におすすめの方法です。
100均の猫よけマットが便利すぎる

最後にご紹介する裏技アイテムは、なんと100円ショップなどで売られている猫よけマット(どんとキャットなど)です。
トゲトゲしていて猫が踏むのを嫌がるあの黒いマットですが、これをプランターの底のサイズに合わせてカットして敷くと、非常に優秀な底石代わりになります。
使い方は、トゲトゲの面を下に向けるか、あるいは上に向けるか諸説ありますが、要は「鉢底に空間を作って土を浮かす」ことができればOKです。
このマットはプラスチック製で強度があり、土の重みでも潰れません。
確実に空気の通り道と水の抜け道を確保できるため、水はけの良さは今回紹介するものの中でもトップクラスです。
私が試したときは、トゲトゲを下にして敷き、その上に直接土を入れると少し土が漏れたので、薄いネットを一枚挟んでから土を入れました。
これだとナメクジが鉢底から侵入するのも防げますし、植え替えの時もマットを取り出すだけで一瞬で片付きます。
洗えば何度でも使えるので、コスパも最強レベルですよ。
豆知識
専用の「鉢底ネット」を買うよりも、猫よけマットの方が厚みがあって通気層をしっかり確保できるため、根腐れしやすい植物には特におすすめです。
プランターの底石の代用を使う際のコツ
ここまでは具体的な代用アイテムを見てきましたが、ここからは「これって使っても大丈夫?」という疑問や、代用品をより効果的に使うためのちょっとしたコツについて紹介していきます。
代用品は便利ですが、使い方を間違えると植物の成長を妨げてしまうこともあるので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
新聞紙やアルミホイルは使える?

よく「新聞紙を丸めて底石代わりにできる」という情報を目にしますが、これには少し注意が必要です。
確かに新聞紙は水を吸いますし、丸めれば空間もできます。
しかし、水やりを続けるうちにすぐにフニャフニャに溶けて潰れてしまい、最終的には土の排水口を塞いでしまうリスクが高いです。
私は以前、短期間の栽培だからと新聞紙を使ったことがありますが、数ヶ月後に植え替えようとしたら、底の方が腐敗してヘドロ状になっており、根っこが傷んでいた経験があります。
ですので、新聞紙はあくまで「土が穴からこぼれるのを防ぐフィルター」として薄く敷く程度に留め、通気性を確保するメインの役割は任せない方が無難ですね。
一方、アルミホイルについては、丸めて玉にすれば水にも溶けず、形状も維持できるので代用可能です。
ただ、金属イオンが植物にどう影響するかは植物の種類によるかもしれませんし、キラキラして虫が寄ってきにくくなる効果も少し期待できるかも?という程度です。
わざわざ使うメリットは薄いですが、緊急時の選択肢としてはナシではありません。
木炭や竹炭には嬉しい防虫効果も

バーベキューで余った木炭や竹炭があるなら、それを底石として使うのは非常に賢い選択です。
炭は無数の小さな穴が開いている多孔質素材なので、軽石と同じように通気性と保水性のバランスが優れています。
さらに炭には、水を浄化する作用や、雑菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
根腐れ防止剤として市販されているものの中身も、実は炭の一種であることが多いんですよ。
また、ナメクジなどの害虫は炭のアルカリ成分や焦げた匂いを嫌うと言われており、鉢底からの虫の侵入を防ぐ効果も期待できます。
使う際は、大きすぎる塊はハンマーなどで叩いて適度な大きさに砕いてから敷き詰めてください。
植物が元気に育つだけでなく、土壌改良材としての役割も果たしてくれるので、一石二鳥以上の価値がある高級な代用品と言えるでしょう。
家庭菜園で美味しい野菜を作りたい方には特におすすめです。
そもそも底石がいらない鉢もある

ここで根本的なお話をひとつ。
「そもそも、全てのプランターに底石が必要なわけではない」ということも知っておいてください。
最近の園芸用品は進化していて、底石不要でそのまま土を入れられる設計の鉢が増えています。
例えば、底面がメッシュ状になっていて脚がついているプランターや、側面にスリット(切れ込み)が入っている「スリット鉢」などがそうです。
これらは構造的に通気性と排水性が確保されているため、底石を入れると逆効果(有効な土の容量が減ってしまう)になることもあります。
私がホームセンターにいた頃も、「スリット鉢に底石を入れたら乾きすぎて枯れた」という相談を受けたことがあります。
お手持ちのプランターの底を見て、穴がたくさん空いていたり、底上げ構造になっていたりする場合は、思い切って底石なしで植えてみるのも手です。
ただし、底に穴が一つしかない昔ながらの鉢の場合は、やはり何かしらの代用品を入れてあげた方が安全ですね。
ネットに入れて使うと後片付け楽

どの代用品を使う場合でも、私が強くおすすめしたいのが「ネットに入れてから敷く」という一手間です。
みかんや玉ねぎが入っていたネット、あるいは排水口用の水切りネットなど、何でも構いません。
バラバラの状態で発泡スチロールや砂利を敷いてしまうと、植え替えの時に植物の根っこが絡みつき、土と分別する作業が本当に大変になります。
「もう面倒だから全部捨てちゃえ!」となってしまっては、せっかくのエコな代用も台無しですよね。
ネットにまとめて入れておけば、植え替えの時はそのネットごと「ゴボッ」と取り出すだけでOK。
軽く水洗いして干しておけば、次回の植え付けですぐに使えます。
この「片付けのしやすさ」こそが、園芸を長く楽しむための秘訣だと私は思っています。
特にベランダガーデニングなど、土の処分に困る環境の方には必須のテクニックですよ。
虫やカビを防ぐため清潔に保つ

代用品を使う際に一番気をつけたいのが、衛生面です。
食品トレイやペットボトルなどを使う場合は、食べカスや糖分が残っていないように、洗剤できれいに洗って乾燥させてから使ってください。
もし汚れが残っていると、そこからカビが発生したり、コバエやアリなどの虫が寄ってくる原因になります。
また、木材や割り箸などを代用する場合も注意が必要です。
これらは有機物なので、湿った土の中で分解が進み、最悪の場合、キノコが生えたり白カビが発生したりすることがあります。
自然素材を使うなら、腐りにくい硬質の炭や、分解されることを前提とした赤玉土などを選ぶのが無難です。
「何でも代用できる」とはいえ、清潔で安定した素材を選ぶことが、植物を健康に育てる第一歩です。
もし使っていてカビ臭いなと感じたら、すぐに取り出して新しいものと交換してあげてくださいね。
プランターの底石の代用まとめと推奨
今回は、プランターの底石の代用として使える様々なアイテムやアイデアをご紹介しました。
専用の石がなくても、発泡スチロールやペットボトル、排水口ネットなど、家にあるもので十分に代用できることがお分かりいただけたかと思います。
最後に私のおすすめをまとめると、軽さとコスト重視なら「発泡スチロール」、後の処理の楽さ重視なら「赤玉土の大粒」または「ネットに入れたペットボトルキャップ」ですね。
植物の種類や鉢の大きさに合わせて、最適な代用品を選んでみてください。
園芸は「こうでなければならない」という決まりはありません。
身近なものを工夫して使うのも、DIYの楽しみの一つです。
ぜひ、今日から家のゴミ箱行きだった廃材を、植物を支える縁の下の力持ちとして活用してみてくださいね!

