気づいたら練り消しがカチカチになっていて、デッサンや製図の途中で「あれ、全然消えない…」って焦った経験はありませんか?
買ったばかりの頃はふわふわで伸びも良かったのに、少し放置しただけで硬くなってしまうのが練り消しの困ったところですよね。
私はホームセンターで文房具コーナーを長く担当していて、消しゴムや練り消しのお問い合わせを本当にたくさんいただいてきました。手の温度でじっくり温める方法から、水を少しだけ加えて湿らせるやり方、ハンドクリームや液体のりを使った裏技、ドライヤーの温風やお湯を使った時短テクニックまで、正直かなりの数を自分でも試してみたんです。
今回は、そんな私の経験も交えながら、練り消しを柔らかくする方法をわかりやすくまとめてみました。まとまるくんのような消しゴムとの違いや、硬くならないための保管方法についても触れているので、絵を描く方はもちろん、お子さんの製図や図工の宿題で困っているご家庭にも役立つ内容になっているかなと思います。気軽な気持ちで読み進めてもらえたら嬉しいです。
- 練り消しが硬くなってしまう主な原因
- 家にあるものだけでできる柔らかくする方法
- ハンドクリームや液体のりを使う際のコツ
- 硬くなりにくくするための保管のポイント
練り消しを柔らかくする方法の基本を知ろう
まずは、練り消しがどうして硬くなってしまうのかという原因の部分から、手軽に試せる基本の柔らかくする方法までを順番にご紹介していきますね。特別な道具がなくても、今すぐ試せるものばかりなので、ぜひ手元の練り消しを見ながら読んでみてください。
練り消しが硬くなる主な原因とは
練り消しは、消しゴムの成分に可塑剤という柔らかさを保つための油分が含まれているのですが、この可塑剤は時間が経つと少しずつ空気中に揮発してしまう性質を持っています。使わずに放置している時間が長いほど、この揮発が進んで硬くなりやすいというのが、私がホームセンターで働いていた頃によく耳にしていた原因の一つです。
また、直射日光が当たる場所や、車内のように高温になりやすい環境に置いておくと、劣化のスピードがぐっと早まってしまいます。逆に、寒い時期に暖房の効いていない部屋に置いておくと、一時的に硬く感じられることもあります。これは油分が抜けたわけではなく、単純に温度が低いことでゴムの弾力が落ちているだけなので、後ほどご紹介する温める方法で改善しやすいケースですね。
ちなみに、練り消しに付着した鉛筆の黒鉛(消しカス)が内部に溜まりすぎることも、練り心地が悪くなる一因と言われています。表面が真っ黒になってきたら、練り込む頻度を増やしてみるのもおすすめです。
手の温度でじっくり温めるコツ
一番手軽で、私自身も最初に必ず試す方法が、自分の手の温度を使って温めるやり方です。難しいことは何もなく、練り消しを手のひらで包み込むようにして、じっくりと転がしたり握ったりするだけです。人の体温はだいたい36度前後あるので、練り消しの硬さを和らげるには十分な熱源になってくれます。
コツとしては、一度に強く握りしめるのではなく、少しずつ位置を変えながら全体に均等に体温を伝えることです。片側だけを集中して触っていると、そこだけ柔らかくなって他の部分は硬いままということになりがちなので、時々ひっくり返しながら転がすようにしてみてください。
私の感覚では、2〜3分ほど手のひらで転がしていると、明らかに伸びが良くなってくるのを感じられると思います。時間はかかりますが、道具も水分も使わないので、失敗するリスクがほとんどないのが嬉しいポイントですね。まずはここから試してみるのが安心かなと思います。
水を少し加えて湿らせる方法
手の温度だけではあまり変化を感じられない場合には、ほんの少しだけ水分を加えてみる方法もあります。やり方はとてもシンプルで、指先やティッシュに水をひとしずく含ませて、練り消しの表面を軽くなでるようにして湿らせるだけです。
ここで気をつけてほしいのが、水を加えすぎないことです。練り消しはもともと水分を吸いすぎるとベタついたり、逆にまとまりが悪くなってしまうことがあるので、1〜2滴程度からスタートして、様子を見ながら少しずつ調整するのが失敗しないコツだと思います。
水を含ませすぎると表面がふやけたようになり、紙面を汚してしまうこともあります。デッサンや製図に使う場合は特に、少量ずつ試すことを心がけてくださいね。
湿らせたあとは、乾いた布やティッシュで軽く挟んでから練り込んであげると、余分な水分が飛んでベタつきにくくなります。手の温度と組み合わせて使うと、より短時間で柔らかさが戻りやすいかなと感じています。
ドライヤーの温風で時短する方法
もう少し時短したいという時には、ご家庭にあるドライヤーを使う方法もおすすめです。練り消しから20センチ以上は離した状態で、弱めの温風を数秒ずつ当てながら様子を見ていきます。近づけすぎたり長時間当て続けたりするのは避けてください。表面だけが溶けてベタベタになったり、変色してしまう可能性があります。
温風を当てたあとは、必ず手で触って熱すぎないか確認してから練り込むようにしましょう。温めてすぐは柔らかく感じても、練っているうちにまた元の温度に戻って硬さが出てくることもあるので、数回に分けて少しずつ温めるくらいの気持ちで試すとちょうど良いと思います。
ドライヤーを使う際は、必ず低温・弱風モードから試すのが安全です。強い熱風は素材を傷めてしまう可能性があるため、様子を見ながら少しずつ調整してください。
お湯につけて柔らかく戻すコツ
思い切って柔らかくしたい時には、お湯を使う湯煎のような方法も効果的です。ボウルなどに人肌よりやや熱いくらいのお湯を用意して、練り消しをラップやジッパー付きの袋に入れた状態で、数十秒ほど浸けてみます。直接お湯に触れさせるのではなく、袋越しにするのが、汚れやベタつきを防ぐポイントです。
取り出したら、粗熱が取れる程度まで少し置いてから練り込んでください。熱いままだと形が崩れやすく、思ったような弾力に戻らないことがあります。私が試した時も、少し冷ましてから練った方が、伸びも良くまとまりやすい仕上がりになった印象があります。
やけどには十分注意してください。お子さんが試す場合は、必ず大人が付き添って温度を確認しながら行うようにしましょう。
練り消しを柔らかくする方法の応用と保存のコツ
ここからは、ハンドクリームや液体のりといったアイテムを使った少し応用的な柔らかくする方法と、そもそも硬くならないようにするための保管の工夫についてお話ししていきますね。まとまるくんなどの消しゴムとの違いも合わせて知っておくと、自分で練り消しを作る時にも役立つと思います。
ハンドクリームで硬さを防ぐ方法
練り消しに油分を足してあげることで、柔らかさを長持ちさせるという方法もよく知られています。代表的なのが、ご家庭にあるハンドクリームを少量練り込むやり方です。ほんの米粒程度の量を練り消しにのせて、ゆっくりと全体に馴染ませるように練っていきます。
油分が加わることで、乾燥による硬化が起こりにくくなり、しっとりとした触り心地が長続きしやすくなるのが嬉しいポイントです。香り付きのハンドクリームを使うと、練り消しにもほんのり良い香りが移って、使うたびに気分が上がるという声もよく聞きますね。
入れすぎるとベタベタになって紙を汚す原因になるため、必ず少量から試してください。色付きのハンドクリームは練り消しに色が移ることがあるので、無色に近いものを選ぶと安心です。
肌が敏感な方や、お子さんが使う場合は、成分表示を確認してから使うようにしてくださいね。特に消しゴムとして紙に直接触れさせて使う道具なので、香料や添加物が気になる場合は無香料タイプを選ぶという選択肢もあります。
液体のりを混ぜて伸びをよくする裏技
もっとよく伸びる練り消しにしたいという場合には、液体のりを少量混ぜ込む方法が定番です。練り消しの量と同じか、それより少なめの液体のりを加えながら、根気よく練り込んでいきます。一気に大量のりを入れてしまうと、練り消しではなくただの液体のりの塊になってしまうので、少しずつ様子を見ながら混ぜるのが失敗しないコツです。
のりを加えた練り消しは、混ぜてすぐは少しベタつきますが、時間を置いてしっかり練り込むことで、独特のもちもちとした伸びの良い質感に変わっていきます。私が試した時も、最初は「本当にこれで大丈夫かな」と不安になるくらいベタついたのですが、根気強く練るうちにちゃんとまとまってくれました。
のりを混ぜたタイプは、そのまま放置すると固まりやすいという特徴もあります。作ったあとは1日1回程度は練り直してあげると、良い状態を保ちやすいですよ。
まとまるくんと消しゴムの違い
自分で練り消しを手作りする方の間でよく名前が挙がるのが、まとまるくんという消しゴムです。これは、消しゴムのカスがひとまとまりになりやすいように作られた商品で、練り消し作りの材料として非常に扱いやすいという特徴があります。一般的なプラスチック消しゴムに比べて柔らかめの素材でできているため、少ない力でも練りやすいのがポイントです。
ただし、まとまるくんはあくまで消しゴムであって、市販されている専用の練り消しほどの柔らかさや伸びは持っていません。そのままでは硬さが残ることが多いので、先ほどご紹介した液体のりやハンドクリームを加えて、練り消しに近い質感へと近づけていくというのが一般的な使い方になります。
用途としても違いがあり、普通の消しゴムは紙の上でこすって黒鉛を削り取るのに対して、練り消しはトントンと叩くようにして黒鉛を表面に吸着させて使います。仕組みが異なるため、削るような消し方をしたい場合は通常の消しゴム、濃淡をつけたりぼかしたりしたい場合は練り消しというように使い分けると良いと思います。
硬くならない保管方法とケース選び
せっかく柔らかく戻しても、保管の仕方が悪いとまたすぐに硬くなってしまいます。一番大切なのは、できるだけ空気に触れさせないことです。練り消しに付属していたケースや袋があれば、使い終わったらすぐに戻すようにしましょう。専用のケースがない場合は、ジッパー付きの保存袋やラップで包んでおくだけでも、乾燥のスピードをかなり抑えることができます。
保管場所についても、直射日光が当たる窓際や、夏場の車内のように高温になる場所は避けてください。温度が高いと油分の揮発が早まり、硬化のスピードが上がってしまいます。反対に、涼しくて風通しの良い引き出しの中などは、比較的良い保管場所と言えると思います。
1日1回、少しだけでも練り込む習慣をつけておくと、表面の乾燥を防ぎやすくなります。私自身、筆箱に入れている練り消しは、思い出した時にコロコロと転がすようにしています。
練り消しを柔らかくする方法を試してみよう
ここまで、手の温度や水、ドライヤー、お湯といった身近な方法から、ハンドクリームや液体のりを使った応用の裏技まで、練り消しを柔らかくする方法をいろいろとご紹介してきました。どれも特別な道具を必要とせず、ご家庭にあるもので試せるものばかりなので、まずは一番手軽な手の温度で温める方法から試していただくのが良いかなと思います。
数値や効果の感じ方には個人差がありますし、練り消しの商品によっても仕上がりが変わってくる部分があります。あくまで一般的な目安としてこの記事を参考にしていただき、心配な点や詳しい成分については、お使いの商品の公式サイトなどもあわせて確認してみてくださいね。今日ご紹介した方法が、皆さんの筆箱の中の練り消しを、また使いやすい状態に戻すきっかけになれば嬉しいです。

