下肢静脈瘤の治療は、基本、手術で静脈切除することになります。
しかし、誰もが手術を受けられるわけではありません。
手術を受けられない場合、予防や改善のために使われているのが弾性ストッキングと呼ばれるものです。
そこで、下肢静脈瘤の予防や改善に使われる弾性ストッキングについて紹介します。
下肢静脈瘤の治療で手術が受けられない
下肢静脈瘤の治療は、基本的には手術で静脈切除をします。
手術は日帰りで出来ますし、若い方は、手術後の回復力も高いので、早めに手術を受けた方が良いでしょう。
しかし、本人が希望すればどんな下肢静脈瘤でも手術が受けられるわけではありません。
下肢静脈瘤の手術は、超音波検査によって、伏在静脈と呼ばれている表在静脈に異常がないと判断された場合、手術による治療が受けられません。
いわゆるクモの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤の場合は、手術は行いません。
この場合、硬化療法という下肢の静脈瘤に薬を注射して固めてしまう治療をするか弾性ストッキングを使う保存的治療が選択肢となります。
そこで、弾性ストッキングによる方法について紹介します。
下肢静脈瘤には弾性ストッキング
下肢静脈瘤の予防や改善のために使われている特殊なストッキングが弾性ストッキングです。
手軽で、かつ、しっかりと予防・改善してくれるのでとても便利です。
足に溜まってしまう血液を上へと流すために弾性ストッキングで足を圧迫します。
弾性ストッキングの履き方は、まず、ストッキングに手を入れてかかと部分を掴んで手前から裏返しにしてください。
次に足の先からかかとに向かって弾性ストッキングを履きます。
この時、少しずつ太ももに向かってストッキングを引き上げていきます。
全体まで履けたら、足先に痛みやしびれがないか確認します。
弾性ストッキングと言ってもタイプがいくつかあります。
圧迫力が違ったり、形状も若干違いますので、症状に合った弾性ストッキングを使用するようにしましょう。
どのタイプを使用すればよいのかわからない方は病院で相談するとよいでしょう。
下肢静脈瘤は弾性ストッキングで予防
下肢静脈瘤で使用する弾性ストッキングは、なる前に予防として使用すると効果が高いです。
下肢静脈瘤は、足の血液が溜まることで発症しますので、普段から血液が足に溜まらないように注意することでしょう。
長時間の立ち仕事をしている方は、ずっと立ちっぱなしにならないようにしたり、同じ姿勢を続けず、足をなるべく動かしたり、寝る時は足を高くするとか工夫しましょう。
それでも、長時間の立ち仕事をしなければいけないなどの場合、弾性ストッキングで予防しましょう。
弾性ストッキングを着用することによって、下肢静脈瘤の諸症状の軽減、合併症を予防することにもなりますので、静脈瘤が気になる方は早めに着用しましょう。
弾性ストッキングは強い圧迫力がありますが、使い続けていると圧迫する力が弱まり、効果が落ちてしまいます。
なので圧迫する力が弱まったら、新しい物と交換するようにしましょう。