おたふくかぜに罹ったら難聴にも気をつけて下さい。
おたふくかぜは、ほとんどが子供のうちに罹る症状ですが、その原因となるウイルスの影響で難聴になってしまうこともあります。
これをムンプス難聴といいます。
難聴になる原因はほかにもたくさんあります。
ニュースでよく聞くようになった難聴として、歌手の方が活動を休止するというようなニュースで出てくる突発性難聴をはじめ、主な難聴になる原因について紹介します。
ムンプス難聴
おたふくかぜの原因となるウイルスの影響でなる難聴をムンプス難聴と言います。
おたふくかぜは「ムンプスウイルス」というものが原因で発症します。
このウイルスが稀ではあるのですが、内耳に感染してしまうことがあります。
その結果、難聴を引き起こすことがあり、この難聴のことをムンプス難聴と呼んでいます。
おたふくかぜは子供でしたら多くの方が感染しますが、ムンプス難聴を発症することは1.0%以下と少ないので、それほど心配する必要はありません。
ムンプス難聴になった場合、子供さんなので、自分が難聴であることに気がつかないとか耳の違和感を親御さんに上手く伝えられないことが想定されます。
おたふくかぜを発症した場合には、お子さんの耳の聞こえに異常がないかもチェックしてください。
突発性難聴
突発性難聴は突然、両耳、もしくは片耳が全く聴こえなくなってしまったり、聴こえづらくなる病気です。
このような症状と共に耳鳴りや耳がつまるような感じがしたりすることもあります。
なかにはひどいめまいや吐き気に襲われる方もいます。
歌手の方が突発性難聴のために活動を休止という話題が年に何回かは聞くようになりましたが、突発性難聴は誰にでも起こりうる耳の病気です。
突発性難聴が起こる原因は、まだよくわかっていません。
遺伝ではないとみられ、ウイルス感染や内耳内で循環障害が起こることが原因ではないかと言われています。
突発性難聴は、早く治療しないと回復が難しいと言われています。
少しでも耳に違和感があるのでしたら、一度耳鼻咽喉科で診てもらったほうがよいでしょう。
先天性難聴
先天性難聴は生まれつき聴力が弱い事を言います。
原因ははっきりとはわかっていません。
しかし、母親が妊娠中に風疹のウイルスに感染し、それが胎児に移行した場合に難聴を引き起こすことがあるため、遺伝の影響や遺伝子の異常が起きてしまうことが関係していると言われています。
先天性難聴だと診断された場合には、補聴器を使用する事になるのですが、それでは聞こえない場合があります。
このような場合には人口内耳を用いる手術をする必要があります。
お子さんの先天性難聴に気付かないまま放置してしまうと、耳から得る情報が不足するので、言語の習得に問題が生じる恐れがあります。
お子さんの様子がおかしいと思ったら、耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。
薬剤性難聴
薬剤性難聴は、何かしらの病気の治療の為に服用したりしている薬剤の副作用によって、内耳が障害を受け、難聴になってしまう病気です。
難聴を引き起こす薬剤として、結核の治療に用いられる抗生物質のストレプトマイシンやカナマイシン、ゲンタマイシがあります。
ほかにも利尿薬のフロセミドや抗がん薬のシスプラチンやアルキル化薬、リウマチ治療薬のサリチル酸等があります。
これらを使用していると必ず罹るというわけではありません。
副作用として可能性があるということです。
薬による難聴だとまず原因となる薬剤の特定を行います。
そして、その薬の使用を中止しても良い薬剤であれば中止する必要があります。
難聴を引き起こす薬剤には、難聴以外の症状も引き起こす場合があるので、注意する必要があります。
老人性難聴
老人性難聴は字の如く、加齢によって起こる聴力の低下のことです。
加齢に伴う聴覚中枢や感覚細胞などの老化が原因です。
私たち人間の聴器の老化というのは、若いうちから始まり20~30代で始まると言われています。
老人性難聴という名前ですが、早い方だと20代で発症するということです。
老人性難聴はまず、電子音などの高い音から聞き取り難くなり、この時点ではほとんどの方が自覚症状がありません。
その後、気付かないうちに症状が進行していきます。
ご自分で自覚出来るようになるのは、普通の音量の会話が聞き取り難くなってからでしょう。
次いで低い音も聞き取り難くなってきて、左右の耳に同時に起こるのが特徴です。
ヘッドホン難聴
ヘッドホン難聴とは、ヘッドホンにより、ごく至近距離で音楽を聴いている状態が少なからず耳に負担がかかり、それが限界に達すると難聴を引き起こすものです。
大きな音や周波数の高い音は耳に与えるダメージが大きいです。
このような状態で長時間音楽を聴くということは、耳を休ませることなく酷使していることになります。
ヘッドホン難聴になるとまず高い音が聴き取りずらくなり、次に中音や低音など聴こえなくなる音域が広がってきます。
一度低下してしまった聴力は現段階では取り戻すことはできません。
音楽を大音量で聴いたり、長時間聴かないようにして耳を休めるなど、予防する必要があります。