下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)という疾患をよく耳にするようになりました。
下肢静脈瘤は妊娠中に出る方も多いそうで、妊婦さんの約2割が発症しています。
他にも出やすい人がいます。
そこで、下肢静脈瘤とはどのような疾患なのかと下肢静脈瘤が出やすい人について紹介します。
また、4つの目に見えてわかる血管の症状についても紹介します。
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは、足の血管が膨らんでコブのようにボコボコと浮き出る症状です。
下肢静脈瘤という名前は聞いたことがなくても、このような症状を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
下肢静脈瘤は足の血管がボコボコと浮き出るだけでなく、足のむくみやだるさなどの症状も出ます。
また、足の皮膚が黒ずんできたり、足に湿疹やかゆみが出ることもあります。
発症する人
下肢静脈瘤は、20代後半から特に女性に出やすいと言われています。
仕事などで長時間、立ちっぱなしの方や肥満体質の方は出やすいです。
また病気が原因となり出る場合もあります。
多いのは高血圧や糖尿病の方です。
また、妊娠中に下肢静脈瘤が出る方も多く、妊婦さんの約2割が発症していますが、近年の高齢出産の増加により妊婦さんの発症の割合が増えていると言われています。
ほかにも遺伝的要因もあると言われています。
実際に母親と娘、両方に下肢静脈瘤が出たというケースは多いです。
下肢静脈瘤が出る原因
血液の逆流
下肢静脈瘤が出る原因は足の血液の逆流です。
足の血液が逆流すると、足の下の方に溜まり、血管を広げて静脈瘤を作ります。
これが足の血管を拡げてコブのようにボコボコの状態になるのです。
何故なるのか
足にある静脈血管内には、重力に負けて血液が逆流してしまうことを防止する「逆流防止弁」である静脈弁と呼ばれているものがあります。
長時間の立ちっぱなしなどにより、静脈弁が正常に機能しなくなり、足の血液の逆流が起こってしまうのです。
妊婦さんに多い原因
妊婦さんは約2割も方が発症するほど、下肢静脈瘤になることが多いのですが、これは血管に良い影響を与える成分である黄体ホルモンの分泌が増加するからです。
黄体ホルモンの分泌が増加することによって、血管を柔らかくしてくれるのは良い効果なのですが、逆流防止弁の働きに関して言えば、働きを鈍くさせてしまう作用があるため、妊婦さんは下肢静脈瘤が出来やすくなってしまうのです。
下肢静脈瘤の4つの血管の症状
下肢静脈瘤には、4つの目に見えてわかる血管の症状があり、それぞれに名前がついています。
伏在静脈瘤…血管が蛇行するように浮き出る下肢静脈瘤
側枝静脈瘤…細い血管が浮き出てくる下肢静脈瘤
網目状静脈瘤…細い静脈が皮膚の上から透けて見えてしまう下肢静脈瘤
クモの巣状静脈瘤…毛細血管が放射線状になって見える下肢静脈瘤