下肢静脈瘤の治療として手術があります。
もちろん、静脈瘤のタイプや患者さんの状態によって出来ない場合がありますが、出来るのでしたら、ほとんどが日帰りで済みますし、根本的に疾患を治す方法でもあるのでメリットは大きいです。
そこで下肢静脈瘤の手術方法の代表的なストリッピング手術とスタブ・アバルジョン手術について紹介します。
下肢静脈瘤の手術
下肢静脈瘤の治療と言えば、一般的には手術によるものです。
ほとんどが日帰りで出来てしまいます。
根本的に疾患を治す方法でもあるので、希望する方が多いですが、静脈瘤のタイプや患者さんの状態によって出来ない場合があります。
静脈瘤のタイプとして出来ないものは、クモの巣状下肢静脈瘤と網目状下肢静脈瘤です。
この場合には、下肢の静脈瘤に薬を注射して固めてしまう硬化療法という治療になります。
治るに半年ぐらいかかります。
手術が出来る場合というのは、基本、血管がボコボコと出た伏在型と呼ばれるタイプの下肢静脈瘤となります。
この手術は保険適用となりますので、4~5万円で出来ます。
下肢静脈瘤の手術 ストリッピング手術とは
下肢静脈瘤の手術は、静脈を切除する「ストリッピング手術」が代表的な方法です。
ストリッピング手術は、伏在型静脈瘤の全てに対応出来ます。
すでに静脈が太くなっている場合やデコボコが大きくなっている場合に特にオススメです。
時間も1~2時間くらいで終わります。
ストリッピング手術は、クリニックによって方法は若干違いますが、基本は太ももとひざの内側の2ヶ所を小さく切り、静脈の中に細いワイヤーを入れて、ワイヤーごと静脈を抜き取る手術です。
逆流してしまった静脈を抜き取ることによって、別の健康な静脈へと血液を流すことで、足の血液の流れを回復させます。
以前は、全身麻酔や脊椎麻酔で行われていたので入院が必要でしたが、現在ではほとんどが日帰りで受けられるようになっています。
しかし、体への負担が大きく、手術後の痛みや出血などのリスクがあるとされています。
体力のある若い方に向いている手術の方法です。
下肢静脈瘤の手術 スタブ・アバルジョン手術とは
下肢静脈瘤の手術の代表的な方法は、静脈を引き抜いてしまうストリッピング手術ですが、静脈を引き抜いてしまうかわりに、静脈を焼いてふさいでしまう手術があります。
これを血管内治療と言い、高周波による治療とレーザーによる治療があります。
この手術は細い管を病気になった静脈の中に入れ、内側から熱を加えて焼いてしまうものです。
焼いた静脈は焼肉のように固く縮んでしまい、治療後約半年で吸収されてなくなってしまいます。
この時に特殊な器具を使って1~3mm程度の非常に小さい傷だけで静脈瘤を切除する方法があり、スタブ・アバルジョン手術と呼ばれています。
スタブ・アバルジョン手術は、保険適用で日帰りで治療ができ、傷が小さいため縫う必要がなく、傷痕が残りにくく、痛みも少ないですし、ストリッピング手術よりも体に負担が少ない手術方法です。