てんかんは発作を繰り返す脳の病気で、年齢や性別、人種に関係なく発病する病気です。
てんかんが原因で起きる暴走事故も問題となっていますね。
医師が乗用車を運転中、歩行者5人を死傷した事故を起こし、てんかんの持病があったが、病気を隠して免許更新をしていたなど、度々ニュースでも話題になるてんかん。
そこで、てんかんとはどのような病気なのか、てんかんの原因とはなにかについて紹介します。
また、てんかんの症状についても紹介します。
てんかんとは?
てんかんとは、大脳の神経細胞が過剰に興奮する事によって発症し、特徴として症状が繰り返しの発作を起こすことである慢性の脳疾患のことです。
てんかんは100人に1人の割合で、その症状を持っているとも言われています。
てんかんは古くからその存在が知られている病気のひとつで、昔は子供の病気とされていましたが、最近の研究では、年齢を問わず発症するものであるとされ、実際に80歳を過ぎてから、てんかんを発症した事例もあります。
現在では、ほとんどの場合、薬によって発作をコントロールする事が可能となっています。
てんかんの原因
てんかんの原因には大きく分けて2つあります。
「特発性てんかん」と「症候性てんかん」と呼ばれるものがあります。
特発性てんかんはMRIやCTを用いたり、様々な検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかんです。
症候性てんかんの原因は、大脳の形成障害、先天性脳腫瘍、過去の脳の傷に大きく分けられます。
大脳の形成障害とは、限局性皮質異形成と呼ばれるタイプです。
これは胎児の頃に脳が活発に形成されるのは、妊娠8~16週目にかけてになります。
この頃に大脳の一定範囲の皮質が十分に完成しなかった為に、その部分の大脳皮質の細胞構築が乱れて、神経細胞が入り乱れてしまった事が原因でてんかんになると考えられます。
先天性脳腫瘍とは、脳腫瘍や血管腫などが原因ですが、胎児の頃に大脳が形成される際に発生したものがほとんどです。
脳腫瘍や血管腫は、脳にとっては異物ですので、脳が刺激されてしまい、てんかんの発作を起こす事があります。
ただし、この脳腫瘍や血管腫は、悪性腫瘍のように脳を圧迫するような症状が出るものとは違うので、その可能性は低いと言われている腫瘍です。
過去の脳の傷の代表的な例は、出産時の脳障害です。
側頭葉てんかんの原因の大半が、出産時の仮死状態が関係していると言われています。
順調に育ってきたように見えていても、小学生の頃になるとてんかんの発作を起こすことがあり、このような場合は出産時の脳障害であることが多いようです。
ほかにも脳に直接細菌やウイルスが感染してしまう髄膜炎や脳炎、高熱が何日も続くような病気によっても原因となり、てんかんを発症すると考えられています。
てんかんの症状
てんかんの主な症状としてイメージするのは、何の前触れもなく、突然意識を失ったり、筋肉がピクピクと動いて痙攣を起こしたり、口から泡を吹いたりするものでしょう。
この症状は、繰り返し起きるのが特徴です。
なので、1回のみの発作ではそれがてんかんだと判断することは出来ません。
てんかんの発作には症状の重さによって様々な種類が存在します。
てんかんの症状は、大きく分けると脳の一部から始まる「部分発作」と、脳全体で起きる発作で、左右対象に全ての電極で大きな波や鋭い波が見られる「全般発作」に分けられます。
また、眠っている間にだけ発作を起こす「睡眠てんかん」と言う症状もあります。
てんかんの発作のほとんどは一時的なものです。
数分程度が多く、長くても10~20分程度で治まるのが普通です。
ごく軽症の発作を発する場合もあり、この場合には短時間の意識消失のみで、急に一点を凝視したり、会話が出来なくなったりします。
しかし、このような症状も10秒もすれば、元の状態に戻ることが多いです。
長さに関係なく、てんかんは何の前触れもなく、突然発作を起こすというのがこの病気の特徴です。